白百合記念病院の外科で2年間働いた看護師の高沢裕次郎(松岡昌宏)に、小児科への異動の辞令が出た。怖い主任看護師・東芳江(小林聡美)からようやく逃げられる、と思わずニンマリする裕次郎だったが、その芳江も小児科に異動。裕次郎は、再び芳江と、一足早く異動となっていた先輩看護師・里中茜(上原多香子)の厳しい指導を受けることになる。だが、裕次郎には、後輩の新人男性看護師・岩田正也(櫻井翔)が小児科に配属され、先輩になるという“喜び”もあった。
茜、正也とチームを組んで男子小学生部屋を担当した裕次郎は、さっそく患者の子供たちと笑顔を交した。小児科は、成人患者だけの外科と違い、親や親族の存在も重要なポイントとなるため、看護師の気を遣う範囲がより広くなる。小児喘息で入院中の天野ワタル(須賀健太)は、妊娠中の母親・佳代子(渡辺典子)に早産の危険性があったため、一人ぼっちのことが多かった。
ワタルの病室に佳代子と父親の天野俊彦(福本伸一)が見舞いに来た。普段から薬を飲むことを拒み、「治らなくてもいい」と言っていたワタルは、2人の姿を見て急に表情を固くする。そして、天野を見て「このひとはお父さんじゃない」と言うや、急に発作を起こした。佳代子は1年前に天野と再婚。その環境の変化がワタルの体調に影響しているらしかった。
一方、裕次郎には、もう一人気になる患者がいた。それは異動の直前に外科病棟に検査入院ということで入った顔見知りの滝田千代(佐々木すみ江)。裕次郎は、70歳になる千代の息子で、コロッケが自慢の惣菜屋をやっている昇も良く知っていた。千代が胃潰瘍だと告げられていた昇は、母親の退院を心待ちにしている様子だったのだがー。
ある日、正也の父親・岩田幹彦(勝部演之)が息子の仕事ぶりを見に来た。正也は、父親の看護師をバカにしたような口ぶりに怒りを爆発させる。
そんな中、正也に大切にしていた人形を捨てられたワタルが、興奮して発作を起こした。仕事上のミスはしていない、と言い張る正也を叱る芳江。この様子を見ていた裕次郎は、ワタルの心を和ますため、ある作戦を考えて――。