第1話
2008年10月8日放送
中国でのアウトソーシングの成果を視察して帰国した東慶商事の社員・神崎島子(観月ありさ)、31歳。所属する総務課に戻ったその島子に、課の仕事を中国に移すとの話が伝わる。東慶商事では、人事部と経理部の業務の50%以上を、人件費の安い中国に移管して結果を出している。会社の経営陣は、総務課の仕事も海外アウトソーシングが可能と判断したようなのだ。
課長・朝比奈国彦(東幹久)の動揺が治まらない中、島子は、部長の富士田弥生(浅野ゆう子)から、成田に行くよう命じられる。中国の人材派遣会社・杭州人材有限公司からやって来る研修生を迎えるためだ。まもなく、空港ロビーに到着した島子は、荷物が見つからずにパニックになっていた若い女性、張琳(タン・ジャースー)がその研修生の一人だと知った。
そんな中、島子は、思わぬ人物と再会した。実は、中国視察中、悪質な露天商にだまされた島子は、2人の中国人に助けられたことがあった。その小柄な方の人物が、付き添い役の、杭州人材有限公司のマネージャーとして現れたのだ。島子は、中国人だとばかり思っていたその男が、小旗健太(阿部サダヲ)という日本人だと知り、ア然。中国人のフリをしたことに反発する島子に対し、小旗は、全く意に介さないようであった。
東慶商事の玄関ホールで、もう1人の女性研修生・楊洋(ローラ・チャン)、マネージャー見習いの李大龍(フービン)と合流した小旗らは、さっそく総務課のあるフロアに向かった。弥生は、小旗とは旧知の仲らしく、親しげな笑顔を交わす。そして、小旗は、琳、洋、大龍の3人を総務課員たちに紹介した。
その日の退社時、朝比奈は、弥生に見せられた数字に目をむいた。それは、小旗が総務課員たちの仕事ぶりを査定し、仕事を中国に移した場合のコストを算出したものだったのだが、削減率はなんと79%。小旗は、総務課の仕事約120種類のうちの8割は、マニュアルさえあれば中国で出来ると断言したのだ。
総務課の危機感はゼロだと言う弥生は、そういう時代が来たと一喝して姿を消す。だが、朝比奈や島子と一緒に話を聞いていた社員の野呂昭和(モロ師岡)、矢部桜(美波)らは、いっせいに小旗に反発した。
翌日、総務課内で面接があり、総務課の元社員だったベテラン派遣社員があっさり契約打ち切りになった。島子は、新人時代、この派遣社員から総務の仕事を一から教わったことを思い出し、しんみり。そして、野呂らは反発を強め、研修生たちとの摩擦が表面化し始めた。そんな中、「働かない会社だね」という洋の言葉がきっかけで、島子と琳がタイピングの勝負をすることになって――。
第2話
2008年10月15日放送
総務課に、総務の業務のひとつを、1週間以内にマニュアル化しろという命令が下る。琳と洋の教育係になった島子は、他の課員たちと120種類ある業務のどれをやらせようか、と考える。だが、課員たちは、マニュアルの完成は自分の職を失う事に繋がると考え、戦々恐々。
選ばれた業務は、業務の中でも一番面倒な『営業車の登録』のマニュアル作り。勿論、琳と洋には全くと言っていいほど、日本車の知識がなく、その様子を見て、胸を撫で下ろす総務課員達。しかし、2人は、たった1日で車の名前はもちろんその性能まで覚え、次の作業に取りかかりはじめる。島子と都留(井上芳雄)は、中国人のビジネススタイルに驚きながらも、琳らのスキルの高さとハングリー精神にビックリ。
島子は、朝比奈からプロポーズの返事を聞かれるが、琳と洋のことで頭がいっぱいで、はっきり答えられない。
まもなく、島子は、都留の話から、琳がコンビニでバイトをしているところを目撃する。都留を口止めした島子は、会社の規則に違反していると琳に注意。会社にバレるとクビになると知った琳は、島子にバイトをやめると約束する。しかし、琳のバイトのことが、弥生の耳に入ってしまう。どうやら琳は、まだコンビニで働いていたらしい。琳が島子のアドバイスを無視してバイトを続けていたと知った弥生は、小旗を呼びつけてクビを宣告。
そんな中、マニュアルが期限の前夜に完成する。しかし、アリエナイことがおこって…?
第3話
2008年10月22日放送
弥生から、総務課のリストラ要員を1人選ぶよう命じられた島子は、どうしてよいか分からずにいた…。それぞれの課員達の家庭事情や会社への思いやりを知ってしまった島子には、誰か1人、リストラ候補を選ぶなど到底、できることではなかった。
一方、桜が担当する『事務用品の発注と管理』が次なるアウトソーシングの項目と決まり、マニュアル作りが始まるが、桜本人の仕事が奪われるという、危機意識は薄く、スキル的にも中国チームに叶わないと諦めムード。コネで入社した桜のコネの効力が消えたと知った島子は、本気でがんばらなければリストラされる、と自分の仕事の目的も忘れて逆にはげます。
まもなく、営業2部から総務課に、フロアの配置換えをして欲しいとの連絡が入る。島子の言葉でヤル気になった桜は、立候補。朝比奈も島子がフォローすると聞き、OKサイン。桜は、ヤル気満々で仕事に取り掛かる。
そんな中、リストラ要員を決められない島子に、桜のクビを切るよう催促する弥生。島子は、桜は新しい仕事に取り組んでいると猶予を求める。一方、桜は奮闘し、ようやく営業2部のフロアの配置換えを終える。
ところが、桜は部長・原田(大河内浩)の机を配置し忘れるという大失敗をしてしまう。総務課に怒鳴り込んで責任を追及する原田に対し、弥生は即座に桜をクビにすると宣言。
その夜、島子は、ある決意を固めて――。
第4話
2008年10月29日放送
総務課が島子と朝比奈(東幹久)の婚約話で盛り上がる中、琳と洋が作ったマニュアルにミスが見つかったと緊急連絡が入る。弥生は、マニュアルを改竄したのは中国アウトソーシングの阻止を狙う者の仕業であると考え、島子に犯人探しを依頼する。
しかし、島子は弥生の依頼を断り、代わりに小旗が犯人捜しをすることに…。
総務課のお仕事の1つである「メールチェック作業」をのぞいていた小旗が注目したのは、営業本部長の伊藤が都留に送った、“花火”という謎の単語が入ったメール。
以来、小旗は都留をマークすることになる。
まもなく、島子は弥生から、総務課全員のパソコンを徹底的に調べるよう命令され…。
事態は思わぬ方向に…。
第5話
2008年11月5日放送
島子(観月ありさ)が突然、社史編纂室の山村を呼ぶよう弥生(浅野ゆう子)に指示される。山村(鈴木浩介)は前夜、繁華街のクラブで酔い、中国人ホステスに暴力を振るったとかで、店のオーナーが東慶商事に300万円の慰謝料を要求してきたのだ。
山村は、暴力を振るった覚えはないと否認するが、弥生は、逃亡や自殺の可能性を考え、問題が明らかになるまで、山村を別室に隔離することを決める。
弥生の指示で問題のクラブに行った島子と朝比奈は、被害者のホステス・メイメイとの面会を求めるが、店側は拒否。事態に混乱した柔道有段者の山村まで、もしかしたら暴力を振るったかもしれないと言い出す始末。
島子は、直ちに全社員に、マスコミの取材に一切応じないようにとの緊急メールを送る。しかし、洋と琳の2人が一部の記者に軽はずみな言葉を発してしまった為、マスコミが押し寄せる最悪の事態となる。
弥生は、小旗(阿部サダヲ)側の責任問題だと激怒。島子が機転を利かせて謝り、小旗側が全員頭を下げた事で、その場はおさまるが、事の重大さは全く変わらない。少しでも解決の手がかりを掴みたいと模索する島子は、小旗と再び、例のクラブに行くが、メイメイは店を辞めたと聞き、困り果てる。
そんな中、人気のないオフィスで山村を見張る島子は、山村と昔話。山村も又、アウトソーシングの煽りをもろに受けた被害者だった。2人の話に口を挟む小旗…。あることをキッカケに島子と小旗は大喧嘩を始めてしまう。売り言葉に買い言葉で、島子は小旗を大きく傷つけてしまう。小旗は、ガックリと肩を落とし、そのまま帰ってしまう。
やがて、事態は、意外な結末を迎えることになる…。
第6話
2008年11月12日放送
無茶ばかり押し付けてくる事で有名な食品二部の石松部長から、総務部宛に、「肉の試食会」をやってくれという無茶な依頼が舞い込む。
島子(観月ありさ)は、その依頼を断った。しかし、朝比奈(東幹久)が石松部長の更なる押しに負け、総務部は「肉の試食会」を引き受けることに…。
そんな朝比奈の情けない姿に部下たちは大きく肩を落とし、朝比奈に対して、不平不満の声をぶつける。
島子はその様子にいたたまれず、試食会を手伝いましょうと皆に呼びかける。皆も仕方なく、参加することとなり、総務部は「肉の試食会」の準備で一気に大忙し。
そんな中、島子の相手を気遣ったはずの言葉が、琳(タン・ジャースー)と、洋(ローラ・チャン)の心を深く傷つけてしまう。自分の中途半端な発言に落ち込む島子。
そんな島子に追い討ちをかけるかのごとく、朝比奈から衝撃的な言葉を突きつけられ…。
第7話
2008年11月19日放送
島子と朝比奈の婚約の解消がみんなに知れわたる中、弥生が総務課5人の異動の内示を言い渡す。野呂は北京、都留は富山、紅葉は大分、桜は徳島、そして、朝比奈は稚内の各支店へと飛ばされることになったのだ。
抗議する朝比奈に対し、弥生は、支社で働くか、辞表を書くかの二つにひとつの道しかない、と冷たく突き放した。海外アウトソーシングが何かをようやく実感した紅葉や都留らに、小旗(阿部サダヲ)は、クビがつながっただけ良かったと告げる。
翌日、朝比奈を除く4人が有給を使って仕事をボイコットするが、それぞれが今後の身の振りかたを考えざるを得なかった。
ひとりマニュアルを完成させるよう指示された島子は、“今、目の前の仕事をやれ”という言葉を思い出し、ひたすら働き続けた。
まもなく、島子は、弥生の指示で、取り壊しが決まっている旧社屋の様子を見に来た。そこで島子が再会したのは、若いスタッフに命じて室内の片付けをしているかつての上司・生田。子会社に飛ばされたこの生田こそ、島子に“今、目の前にある仕事をやれ”という含蓄ある言葉を教えてくれた心の師だったのだ。総務課の内情を説明してアドバイスを求める島子。その日の退社後、再び旧社屋を訪ねた島子は、生田にいろいろと話を聞いてもらい、昔話に花を咲かせる。
また、朝比奈は異動を撤回させてみせると啖呵をきるが…?
第8話
2008年11月26日放送
地方支社への異動が迫る、東慶商事の総務課――。
しかし、「人は宝」という言葉に励まされた総務課員たちは、いきいきと働いていた。そんな中、エネルギー部が使用する予定だったグラウンドをキャンセルして欲しいと連絡を受ける総務課。今からでは、使用料の全額をキャンセル料として支払わねばならず、有効利用に頭を悩ます島子。島子は、長年に渡る、営業二部と経理部のいがみ合いの様子から、社員運動会を思いつく。
小旗は島子に、運動会など、ムダでバカバカしいと一言。島子は、人と人とのつながりが会社を動かすと言い切る。
総務課員たちもそんな島子の声に賛同。バカバカしい事を思い切りやろうと張り切る総務課員は、どことなく輝いていた。
一方、弥生は突然、吐血し、入院することに…。
第9話
2008年12月3日放送
総務部に“小旗に関する怪文書”のファックスが送られてくる。
怪文書の内容は、小旗が会社の金を横領し、中国に逃亡した犯罪者だということ。島子は小旗に限って、そんなことはあり得ないと皆の前で否定する。
一方、朝日奈課長が頑張って、部長に取りあうも、皆の地方支社異動は撤回されずにいた。
そんな中、中国から研修生が来た頃から野呂主任が書きためていた野呂ノートの話題があがる。それを見た島子は、会社員向けの、ある有料セミナーを思いつく。
結果は大成功。利益を生む新総務課を立ち上げよう! などと盛り上がる。しかし、役員会議で大変なことが起こり…。島子は役員会議で、責任をとって辞表を書きますと啖呵を切る。
第10話
2008年12月10日放送
小旗のクビを知った島子は、小旗を探し、クビになった理由を問いただす。小旗は、重役会議中、どうしてもトイレに行きたくなった為だと島子に告げる。
後日、島子は弥生に辞表を提出、時を同じく、都留も弥生に辞表を提出する。
「あとは、いないの?」という、弥生の言葉に、総務課員達は首を振ると、それぞれの地方支社への異動を受け入れるのだった。
やがて、マニュアルがついに完成し、中国人研修生の帰国が決まると、総務課員の解散式をすることに…。
そんな中、小旗は突然、皆の前から姿を消す。