砂沙美は生まれつき「魔法」が使える女の子。でも3歳の頃、両親から「魔法は使ってはいけないよ」と言われ、それからずっと小学生になった今まで誰にも内緒にしてきた。ところが5年になった新学期、砂沙美の学校に新しい保健の先生・鷲羽（わしゅう）が赴任してから、砂沙美の運命は大きく変わることに。

転校生で、なかなかクラスとなじめない美紗緒（みさお）のことが気になる砂沙美。その美紗緒と一緒に、放課後のクラブ活動の時間、「料理クラブ」に入部するため、家庭科室をたずねてみると、そこには、あの鷲羽先生が…。「これだけ人数が多いと部員は間引かなきゃね。それじゃ誰かに、これを美味しくさばいてもらおうかな」、そう言って鷲羽先生が取り出したのは、ウサギのようなネコのような不思議な動物・魎皇鬼（りょうおうき）。しかも、その魎皇鬼は生きていて、ぴょ～ん！ と、教室から逃げ出してしまった。

鷲羽に見つかって食べられる前に、助けてあげたいと願う砂沙美と美紗緒は、逃げた魎皇鬼を追いかけて用務員室へ。魎皇鬼が飛び込んだタンスを覗き込むと、なんと2人もそのまま、中へ吸い込まれてしまった！

…ドスン!! 2人が着地した所…そこは古びた炭鉱のような奇妙な空間…。そこで美紗緒は突然、思い出したくない「自分の過去」を見せつけられ叫んだ。「いやぁあああああっっっ!!!」苦しみに耐えかねた美紗緒が、全身で拒否した瞬間、彼女の体に異変が。砂沙美の顔を見た美紗緒は奇妙な空間の奥の闇へ逃げるように紛れていってしまった。驚いた砂沙美だったが、隠れてしまった美紗緒にゆっくりと語りかけた。「おーい！ 篠原さん」「気持ち…悪いでしょ？ 私の力…」「そんなことないよ」「うそ！」

美紗緒も「魔法」を使える女の子だったのだ。小さい頃から魔法が使えた事、そのせいで前の学校ではいじめられていた事。そんな過去を持って苦しんでいた美紗緒のために、砂沙美はついにパパとの約束を破って、あえて自分も美紗緒の前で「魔法」を使って見せ…、おどろく美紗緒…その表情が次第にホッとした表情になり、やがて笑顔を交し合う2人。

その時、背後からパチパチと拍手が鳴り、2人が振り返ると、なんとそこには、あの鷲羽先生が！。「2人ともよく頑張ったね。とりあえず、決まりだね。料理クラブ…またの名を［魔法少女クラブ］、2名様ごあんな～い！」こうして、「料理（魔法少女）クラブ」に、所属することになった砂沙美と美紗緒。

さて、このクラブではどんなことが起こるのか…