こんにちは、スタッフＨです。
昨日、合計4時間半にもおよぶ本展覧会の特別イベント「ミニチュア特撮課外講座」を行ないました。
このイベントは、ミニチュアエフェクトのプロである、マーブリング・ファインアーツ社さんの主催のもと、実際に会場にミニチュアを持ち込むなど、今までにないイベントになりました。
マーブリング・ファインアーツさんは、本展でも大々的にご協力を頂いている会社です。

第1部は「懐かしのテレビ特撮セレクション上映」。
会場となった講堂にほぼ満員となったお客様と共に、大きなスクリーンを使用して、ウルトラマンシリーズの中から、この2本を鑑賞しました。（ご協力＝円谷プロダクション様）
●ウルトラマンレオ より 第３話「涙よさよなら...」
●ウルトラマン８０ より 第44話「激ファイト！８０ ＶＳ ウルトラセブン」
このお話の解説には、スタジオジブリから、"アニメのみならず特撮への愛も尋常じゃない"という三好さんが登場。楽しい視点の解説に会場は笑いの渦に。
改めて観ると、両作とも実に新鮮で、会場内はどよめきや拍手、最後には爆笑のシーンまで、色々な意味での「楽しさ」が終始絶えませんでした。
"みんなでＴＶ番組を観る"という事もなんだか懐かしく、ほっこり嬉しくなりました。
上映後も、会場内では『80は本当にミニチュアワークは凄いんだよなあ・・・』
『シュールだぁー。カッコいい...』など、皆さん満喫された様子でした。

 

第2部は、実際のミニチュアセットが目の前に現われ、まさに「講座」としての展開。
前編「ミニチュアエフェクトを体感する」では、プロのベテラン特撮カメラマンで、「巨神兵東京に現わる」でもカメラを回された桜井景一さんと、マーブリング・ファインアーツ社の岩崎憲彦社長をお招きして、実際に「ミニチュアエフェクト」の裏側を、参加者を交えながら実演、解説を行いました。

「ハイスピード撮影」のパートでは、「ビルに隕石が落ちる」という設定のもと、
お客様を交えて実験。
実験に参加した女性は、大のミニチュア好きとの事で、隕石を落とした感想は、「ときめきました！」と、ミニチュア特撮愛にあふれるコメントも飛び出しました！

また、ご自分でも自作の特撮実験映像を作ってはネットにアップされているという桜井カメラマンからも、「ミニチュア撮影をしていると、世界が自分の手に入ったよう」とナイスなコメントも。

総まとめで、巨神兵が街に現われ、ビルが倒壊するという設定で、またまた実際のミニチュアセットを作って、特撮シーンをその場で撮影するという実験を行いました、
「やりたい！」と一斉に手を挙げる多くのお客様の中から、なんと６名（監督、助監督、電車を動かす役、巨神兵を動かす役、ビルを倒す役①、ビル倒す役②）もの実験スタッフが誕生し、実物のミニチュアを囲んで「スタート！」の合図で操演！桜井さんに撮影してもらった映像をその場で再生すると、見事に迫力あるシーンとして演出されており、会場は拍手喝采、大成功でした。

後編の「進化し続けるミニチュアエフェクト」では、
本展覧会の特撮短編映画「巨神兵東京に現わる」の監督補でもある、特撮研究所の特技監督の尾上克郎さんをゲストに、マーブリングさんとの間で、ミニチュアエフェクトの将来についての、"熱い"パネル討論が行われました。アメリカでの事例も参考映像で紹介され、本格的な講座に。

質問コーナーでも多くのお客様から熱心な問い掛けがありました。
「どうすれば特撮の仕事に就けるか？」という質問には、尾上さんから適切なアドバイスがありましたが、最後に「ただし（この業界は）"沼"だよ」と、生々しい念押しが！？
特に若い世代の皆さんを中心に、多くの方がミニチュア特撮にさらに関心を高めた素晴らしい講座となりました。

今回イベントを主催されたマーブリング・ファインアーツさんのホームページはこちらです。ぜひご覧になってみてください！

特撮博物館は引き続き10月８日（祝・月）まで開催中です。
特撮の作り手たちの技と魂、そして、日本が世界に誇る映像の「粋」をぜひ
この機会に体感しにいらしてください。