終戦を知らずジャングルに潜伏 横井庄一が28年間生きのびたサバイバル術とは?
1月24日(木) 日本テレビ系で放送の「THE 突破ファイル」では、終戦を知らず、日本兵として28年間グアムのジャングルに潜伏していた陸軍軍曹の横井庄一さんを再現ドラマで紹介した。
再現ドラマでは、横井庄一さんを俳優・柏原収史が、部下の陸軍兵・志知幹夫さんを俳優・佐野和真が、同じく海軍軍属の中畠悟さんを俳優・大沼遼平が演じた。
1972年1月24日。日本中を騒然とさせるニュースが。終戦を知らず、28年間グアムのジャングルに潜伏していた陸軍軍曹の横井さんが発見されたのだ。その後、日本に帰国した時に横井さんが言った言葉は「恥ずかしながら帰って参りました」だった。一体どうやって生きのびたのか?
1944年、横井さんはリーダーとしてグアム島で二人の日本兵を連れていた。その頃、アメリカ軍が日本の占領下にあったグアムを取り戻そうと上陸。横井さん率いる三人は、必ず助けが来ると信じ、敵に見つからないようジャングルの深くに進んで行った。
最初の試練は食料。横井さんはジャングルに生える赤い実を見つける。三人は喜んで食べたが、それは猛毒のソテツの実だった。
三人を嘔吐や腹痛が襲う。絶望にかられ数日間食べるものもなく空腹を我慢できない3人。
すると、横井さんはあることに気づく。4日間水につけたソテツの実は柔らかくなり毒が抜けて食べることができたのだ。こうして三人は食糧危機から脱した。
そこから、カエルやヤシの実など食料を確保し始める。火を起こす道具もないため、捨ててあったワイングラスを活用して火おこしをし、枯れ木を活用して動物を仕掛ける網を作るなどジャングルでの食料を日々充実させていった。
横井さんは召集されるまで、洋服の仕立て屋だったため手先が器用。生きのびるための様々な道具を作ることで色々な困難を突破していった。
そんなジャングルでの生活の中、上空からあるものが降ってくる。それは、ジャングルに散り散りになった日本兵に「日本は敗戦した」と帰国を促す紙だった。
だが横井さんは「日本が負けるわけがない。これは罠だ!」と敗戦を頑なに信じなかった。
そして1950年。横井さんらはサバイバルを続けていた。地上では見つかる恐れがあるため、地中に穴を掘り、そこで生活をし、ヤシの実からココナツミルクを抽出し煮詰め、それを油にして揚げ物までしていた。
さらにジャングルでの生活も19年となった1963年。このままでは敵に見つかることもなければ、日本へ帰国することも難しい。横井さんはイカダを作って島から出る計画を考える。だが、リゾート開発が進んだグアムを見て、敵兵が要塞化したのだと思い三人は最後の希望を失った。そしてついに仲違いし、三人はバラバラになってしまう。
横井さんは一人で家づくりをして暮らしていくことに。孤独を感じる横井さんはものづくりでその寂しさを埋めていった。はた織り機や糸や針を作り出し、ついに服まで作ってしまった。
そして横井さんを最大のピンチが襲う。非常に強い台風がグアムを襲い、食料が取れなくなってしまった。別れた二人のもとへ向かうが…仲間だった二人は亡くなっていたのだった。絶望に明け暮れる横井さんだったが、「二人の遺骨を日本に持ち帰る」という思いをもって生き長らえたのだった。
台風の影響で食料も飲み水もなくなった横井さんだったが、川の水を飲む方法を見つけ出す。水が綺麗なところにしか生息しないトンボを見つけ(つまりその場所は綺麗な水)、そこの水を飲むというものだった。
その28年間を経て、47年前の1月24日、横井さんはグアム島で発見され、その後、日本へと帰国をしたのだった。帰国後は、奥様とともに戦争体験を後世に伝える活動に生涯を捧げ、82歳で人生に幕を閉じた。