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銭ゲバ

2009年1月期 土曜ドラマ
ストーリー

第1話

2009年1月17日放送

蒲郡風太郎(松山ケンイチ)――彼は、幼い頃から貧乏だった。母親・桃子(奥貫薫)は病弱、父親・健蔵(椎名桔平)は放蕩三昧。教科書代に、給食費すら払えない。学校ではいじめられ、馬鹿にされた。
「でも、先生……世の中には、100円のお金もない家もあるんです」

母の切ない訴えに、何もできぬ苛立ちを抱える風太郎。
そんな窮状の中でも、父親は悪魔だった。働きもせず、そして、暴力の嵐。でも貧しくても正直に一生懸命頑張れば、絶対幸せになれる、との母の教えを信じていた小学5年生の頃の風太郎(齋藤隆成=子役)。しかし、あまりの貧乏生活ゆえ、身体を壊してしまった母は、薬を買うお金さえなく、あっけなく逝ってしまう。
「お金がないからおかあさんは死んだんだ……」

数年後、風太郎は、社会の片隅でひっそりと暮らしていた。派遣社員として工場を渡り歩く日々。そこで金に困って苦しむ男・寺田(田口トモロヲ)と出会う。「なんのために生きてるんだろう?」という寺田の問いかけに対し、風太郎はただ黙って不気味な笑みを返すのみ。
その目は何を想っているのか…。

時を同じくしてその頃、刑事の荻野聡(宮川大輔)は、とある事件を執拗に追っていた。捜査線上に浮かぶ風太郎の名前。

一方の風太郎は派遣先の三國造船の工場で、社長・三國譲次(山本圭)と一緒に工場見学をする美しい娘・緑(ミムラ)と再会する。実はふたりには、ある過去があった。そこで風太郎はある決意を固める――。

オレは美しいものが好きズラ。美しい人の心が欲しいズラ。
真実というものがあれば、命を懸けて追い求めるズラ。
だけど、人の心は美しくないズラ。人間はみんな汚く、いやらしいもんズラ。
だから、オレが信じるのは「銭」だけズラ。「銭」があればなんでも手に入るズラ。
「銭」こそ正義ズラ。「銭」があれば寂しくないズラ。

 

第2話

2009年1月24日放送

緑(ミムラ)の運転する車の前に飛び出した風太郎(松山ケンイチ)。病院の一室で目覚めた風太郎を心配する緑。何かできることはないかと申し出る。
「………友達になれたらうれしいです」
風太郎はある目的のために緑の心に入り込んでゆく―――。

まもなく、風太郎は緑に豪華クルーザーで開かれる仲間内の集まるパーティーに招かれる。そこで出会った緑の妹・茜(木南晴夏)。顔にアザがあり足が不自由なため、幸せそうな人間に不快感を見せる茜。風太郎は、そんな茜にも近づき、ある計画をたてる。

一方で寺田殺しの捜査をしている荻野(宮川大輔)は、執拗に風太郎を追っていた。風太郎の働く工場に姿を見せ、対峙する、荻野。
「僕は君が犯人じゃないかと思ってるんだ、ずっとね」

荻野が工場に姿を見せて程なく、風太郎は、父親・健蔵(椎名桔平)と偶然再会。
この13年ぶりの父と子との出会いが風太郎の運命を大きく変えていく―――。

 

第3話

2009年1月31日放送

三國家の一室に寄宿し始めた風太郎(松山ケンイチ)。そして、まるで新妻のように笑顔で振舞う茜(木南晴夏)。茜の姉・緑(ミムラ)は、初めて見せる茜の明るい表情を見て複雑な思いに駆られていた。風太郎が金目当てで三國家に入り込んだに違いないと、白川(田中圭)から断言されていたのだ。
「―――彼は、そんな美しい人間じゃない」と宣言する白川に対し、動揺する緑。

一方、相変わらず風太郎の動向を探っていた荻野(宮川大輔)は、金の無心に来た父親の健蔵(椎名桔平)と風太郎の会話を目撃し、風太郎の生い立ちを探り始める。

着実に計画を進める風太郎だったが、疑念を抱く緑、そして風太郎を三國家から排除しようとする白川、そんな二人をなんとかしなければとあせり始め――。

 

第4話

2009年2月7日放送

三國家に潜り込んだ風太郎(松山ケンイチ)。

しかし、その正体を白川(田中圭)に知られてしまった風太郎は白川を殺害。死体を庭に埋め、夜を明かす。
その翌日、結婚をせがむ茜(木南晴夏)に「それは無理だ」と風太郎は自分から三國家を去る。
「僕は…自分の世界に戻ります」
そこにはある思惑があった―――。

そんな中、風太郎は行きつけの定食屋『伊豆屋』で、自分と瓜二つという由香の兄・野々村真一が騒ぎを起しているのを知る。バカな真一を優しい気持ちで見守る家族たち。

「お天道様は見てるからさ、大切なのは、金じゃない、心だよ」―――

そんな伊豆屋の面々に対し、複雑な心境が沸きあがる風太郎は、彼らに罠を仕掛けようとするが―――。

一方、風太郎を追って三國家に乗り込んでくる健蔵(椎名桔平)。三國家を家中、嗅ぎまわる…。戸惑う三國家の面々…。

同じ頃、荻野(宮川大輔)らも三國家に姿を見せる。それは、一本の匿名の通報からだった。
次第に、風太郎は追い詰められていく―――。

 

第5話

2009年2月14日放送

死体が庭に埋まっている―――。
何者かの通報から、警察によって行われた三國邸の庭の発掘作業。だが出て来たのは、単なるイタズラ描きの絵。荻野(宮川大輔)が悔しさを隠しきれない中、風太郎(松山ケンイチ)は、あることに気付く―――。

風太郎の追い詰められた表情を見た緑(ミムラ)は、言い知れぬ不安と風太郎への疑念に襲われていた。だが、風太郎を信じたい―――。緑は風太郎の動向を調べ始める…。

一方、譲次(山本圭)は、風太郎を秘書のように会社に連れて行き、積極的に仕事を覚えさせていた。社長の座を虎視眈々と狙う風太郎は、懸命に勉強しながらも、あくまで謙虚に振る舞い、着々と譲次らの信頼を得ていく。

丁度その頃、風太郎は、かつての派遣仲間であった枝野良夫(柄本時生)と再会。
「…俺、嬉しかったんだ。友達だって思ってさ」
と語る枝野と自分の境遇を重ねあわせ、友情にも似た感情を覚えるが、風太郎は枝野にある恐ろしい計画の実行を提案して―――。

 

第6話

2009年2月21日放送

銃殺された譲次(山本圭)に代わって三國造船の社長の座に就いた風太郎(松山ケンイチ)。有り余る金を手に入れた風太郎は、その使い道が分からずにいた…。
そんな折、風太郎は桃子と瓜二つのホームレス・寛子(奥貫薫=二役)と出会う。風太郎は、何ひとつ母親孝行が出来なかった埋め合わせをするように、大金を渡すが――。

一方、風太郎に揺さぶりをかけ始める荻野(宮川大輔)。風太郎は、荻野の追求をかわそうとある作戦をたてる。

そして、風太郎にとってもう一人の敵・健蔵(椎名桔平)を社長室に呼び出して――。

三國家にも変化が訪れていた…。
日々、変貌していく風太郎に必死に愛されようとする茜(木南晴夏)。そして、譲次の急死で精神状態がおかしくなる緑(ミムラ)。風太郎は三國家をも乗っ取ったつもりだったが――。

 

第7話

2009年2月28日放送

加奈江(宮本裕子)に対する傷害の容疑で、逮捕された風太郎(松山ケンイチ)。風太郎をやっとの想いで捕らえることに成功した荻野(宮川大輔)は、風太郎を厳しく追及する。

取調室では一言も発せず、茫然自失の風太郎は憔悴しきって牢獄に倒れこむ。その時、ある記憶が甦る。それは、初めて殺人を犯した幼いころ街へ逃げ込んだ日の記憶。一人の老人(品川徹)との出会いであった―――。

一方の緑(ミムラ)は、風太郎の生まれた街を訪れていた。何故、風太郎という人格が生まれたのか。緑はひとり、答えを求めて風太郎の生まれ故郷を歩く。そこで緑は風太郎の父親・健蔵(椎名桔平)と偶然出会い―――。

その頃、三國家でひとり、茜(木南晴夏)は風太郎を待っていた。茜は茜なりに、風太郎を救おうと、ある覚悟を固める―――。

 

第8話

2009年3月7日放送

風太郎(松山ケンイチ)を愛し抜いた末に自殺した茜(木南晴夏)。風太郎はその姿を呆然と見つめることしか出来なかった。哀れな茜の胸の内を告げて風太郎を責める緑(ミムラ)。風太郎にある想いが去来する―――。

「―――ドライブしませんか?」

風太郎の誘いに緑は困惑する。向かった先は、風太郎が子供の頃の、桃子(奥貫薫)とふたりだけの秘密の場所だった。

その頃、伊豆屋の面々は驚愕の事実を突きつけられ、複雑な想いに駆られていた。風太郎が真一(松山ケンイチ=二役)を雇い、刑事の妻(宮本裕子)を階段から突き落とさせたこと。そして真一には多額の借金があること。追い詰められた伊豆屋の面々は、ある行動に出る―――。

一方、健蔵(椎名桔平)もまた、ある決意を胸に、三國家に向かっていた――。

 

第9話

2009年3月14日放送

死を決意し、ダイナマイトの導火線に火をつけた風太郎(松山ケンイチ)。
なぜ彼は、自らの命を消そうとしているのか?
チリチリと燃えていく導火線の炎を見ながら、風太郎はある夢を描きはじめる――。

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