#029 日韓"ホワイト国”外しで対立 ソウル市民は…?
悪化する日韓関係ですが、8月12日も動きがありました。
韓国が日本への事実上の対抗措置の内容を
明らかにしたのです。
そこで、今夜の「プライチ!」はこちら。
「“ホワイト国”外しで対立
でも、ソウルで聞くと…?」
貿易をめぐる対立が深まる理由のひとつとなったのは
8月2日。
日本が韓国をいわゆる“ホワイト国”から
除外することを決めたことです。
これまで日本は韓国への
特定の工作機械や金属製品などの輸出について
簡易な手続きだけで許可していましたが
“ホワイト国”でなくなると
ひとつひとつ国の許可が必要になり
韓国に入るものが遅れる可能性があります。
これに対し、韓国は8月12日“ホワイト国”外しを
日本にやり返すことを正式に発表したのです。
たとえば韓国から日本に戦略物資を輸出する際、
9月以降は申請に必要な書類を増やすなどして
輸出の管理を強化しようというものです。
事実上の対抗措置となります。
一方、韓国の文在寅大統領は8月12日
「過去、日本の帝国主義から
大きな苦痛を受けた私たちとしては
現在の日本の経済報復を
非常に厳重なこととして受け入れざるを得ない」
と述べました。
そしてソウルでは4週にわたり土曜日に日本大使館前で
日本の安倍政権に対する抗議集会が開かれています。
8月10日は主催者発表で
およそ1万5000人が参加しました。
両国の距離感は一部の市民の行動だけでなく
こんな数字にも表れています。
韓国の調査会社によると日本の製品を購入しない
いわゆる「不買運動に参加している」と答えた市民は
6割を超えています。
また韓国から日本へ来る旅行者ですが、
韓国最大手の旅行会社によると7月の日本旅行の需要は
2018年の同じ時期と比べ4割弱も減っているということです。
ただ、ソウルで一般の市民に話を聞いてみると
こんな声も。
こちらはソウル市内にある和風の居酒屋。
来店していた韓国人の客は。
○ソウル市民
「不買運動なんて、なんでやるのか理解できない。
日本に2か月に1回程度、旅行に行っていたが
いま状況がこのようになって行けないのが…
日本料理、本当に好きなので残念」
日韓関係が好転してほしいと願っていました。
取材した記者によると韓国では
表だって「日本が好き」とは言いづらい空気もあるということで
ソウル市民から「カメラの前でなければ話せるんだけど」
という声も聞かれたそうです。
そんな中、人気の観光地を
韓国の伝統衣装で着飾って訪れていたのは
二人組の日本人女性です。
実際、韓国に来てみたら
日本にいた時とは印象が大きく違ったといいます。
○日本人観光客①
「テレビで見ていた韓国は怖い印象があったんですけど
実際、来たらみなさん温かい」
○日本人観光客②
「メディアではけっこう
『(日韓関係が)ギスギスしていて韓国人は日本人大嫌い』
というように目立って報道されていたので
心配ではあったんですけど
実際来てみたら街の人はそんなことなくて。
政治以外のところでは国が違っても
仲良くできるんだなというのを
来て実感しました」
ソウル市民の中には冷静な声もあるというのが
取材でわかりました。