#234 冬の食中毒…“トイレでスマホ”に注意
トイレの中でも
スマートフォンをつい触ってしまう…。
そんな人もいると思いますが、
実はこれが、あるウイルスに感染する
リスクを高めてしまうというのです。
それが、
つらい吐き気や嘔吐、下痢などをもたらす
「ノロウイルス」です。
一年を通して注意が必要ですが、
特にこの冬の時期、患者が増えるといいます。
2月に入ってからも
各地で報告が相次いでいまして、
2月17日も、
和歌山県の旅館で飲食した
46人が腹痛や嘔吐などを訴え、
一部からノロウイルスが
検出されたケースが発表されました。
なぜ、いま多発しているのか?
さらに、ノロウイルスとスマホの関係は?
専門家にうかがいました。
感染制御学が専門の、
東邦大学・小林寅喆教授です。
○櫻井
「食中毒というと
夏のイメージがありますけども、
なぜ冬に患者が
集中しているのでしょうか?」
○東邦大学(感染制御学)小林寅喆教授
「寒い時期、温度が低いほど
(ノロウイルスが)活性を維持できる時間が長いと。
冬場だいたい11月くらいから2月3月に向けて
流行するような感染症ですので
実際に流行期に入っていると
考えていいと思います」
○櫻井
「重症化するリスクもありますか?」
○東邦大学(感染制御学)小林寅喆教授
「いわゆる脱水(症状)になってしまうと、
もしくは高齢者で物を詰まらせてしまうと、
誤えん性肺炎とか副次的な要因で
重症化するケースが報告されているので
高齢者、特にまた小さな子どもたちは
注意が必要になります」
そして小林教授に聞いたのは、
ノロウイルスと
スマートフォンの関係です。
○東邦大学(感染制御学)小林寅喆教授
「スマートフォンを触る頻度が
非常に高いということですね。
そうした場合、
たとえばトイレにスマートフォンを
持ち込んで触った場合に
そこのトイレが
ノロウイルスで汚染されていたら
スマートフォンにくっつけて
持ち出してしまうと。
手洗いした後のスマートフォンでも
(触るとノロウイルスが)
すぐ手にくっついてしまうと」
○櫻井
「スマートフォンにウイルスが付着して
そのあとに触った手に
ウイルスがついている可能性があるので
気をつけたほうがいいと?」
○東邦大学(感染制御学)小林寅喆教授
「そうです。その通りです。
食事をするときは
手洗いをすることが基本ですので
そういう(ノロウイルス感染が多く発生する)時期は
スマートフォンを持ちながら食事をするのは
避けるべきですし、
なにかパンとかおにぎりを手で触るときは
手は石けんできれいな状態になっているのを
前提にしたほうがいいと思います」
(藤井)
スマートフォンにも
ウイルスがついている可能性があるから
そこから手にうつって
口に入らないようにするということが
大切だというのがよくわかりましたけれども
なにか対策はあるのですか?
(櫻井)
私たちにできる予防法は
「加熱」と「手洗い」です。
汚染された二枚貝による食中毒は
生や加熱不足のもので発生しているので、
たとえば中心部が85℃から90℃で
90秒以上、十分に加熱することが推奨されています。
そして手洗い。
一般的に石けん自体には
ウイルスを死滅させる効果はないのですが、
石けんを泡立てて手の隅々まで洗うことで
付着したノロウイルスを浮かせて洗い流すことが
最も有効な予防法です。
「トイレに行った後や食事の前は手を洗う」
「食事中はなるべくスマホを触らない」を心がけましょう。