#216 熱中症に不要不急の通報…119番最前線
7月22日、東京消防庁管内では
熱中症で男女132人が搬送。
20代と60代の男性2人が
重症だということです。
櫻井キャスターは…。
○櫻井
「番号の下、
ランプが点滅しているところが
まさに通報が入っているということです。
いろんなところが光っています。
通報が入っているところですね」
熱中症などの119番通報をうける
東京消防庁の総合指令室へ。
1日3000件を超える
通報が届き、取材中にも…。
○指令員
「どうしましたか?」
○通報者
「熱中症だと思います。
手足がしびれてきて」
○指令員
「救急車向かいます」
○通報者
「はい」
○櫻井
「2~3分の間に次から次へ
熱中症の通報が入ってきます」
絶え間なく届く通報。
○指令員
「どのような具合ですか?」
○通報者
「けっこう吐いてしまって
そこから体調が、ぐたーっと。
意識はあるんですけど」
救急車を向かわせようとしますが。
○指令員
「今救急要請が大変多くて
近くに救急隊がまったくいないので
そちらに着くのに時間がかかります。
首の後ろとか足の付け根、
冷やせるものがあれば
冷やしておいてもらっていいですか」
○櫻井
「近くの救急隊がまったくいない。
その間に冷やせるところの
指示をされていました」
実は、朝から通報が相次ぎ、
すぐ現場に駆けつけられない事態と
なっていたのです。
これをうけ、
東京消防庁は、22日午前
「救急車ひっ迫アラート」を発令。
SNSなどで「適時・適切な利用」を
強く訴えました。
○藤井
街を歩いていても
救急車が本当にひっきりなしに
通行していたので、
救急隊がそばにいない情報も
うなずけましたね。
○櫻井
そうですね。
本当にひっきりなしに
通報が入っている状況でした。
そしていま問題になっているのが
“不要不急の通報”です。
去年の119番通報は、
過去最多の
およそ110万3000件。
そのうち、およそ2割が
不要不急の通報で、
たとえば取材中にも
「入院中だけど、病院に行きたい?」
「生活保護の相談をしたい」
といったものが。
○指令員
「東京消防庁です。
火事ですか、救急ですか」
○通報者
「あの、具合が悪くて…」
○指令員
「住所教えてください」
○通報者
「はい、○○区△△4-8-13…
4-8-1」
ただ、その住所を調べると。
○指令員
「住所に家が見つからなくて、
地図で探したくて…」
○通報者
「4-1-8って
調べればいいじゃん!!」
○指令員
「4-1-8ですか?
4-8-1じゃなくて?」
○通報者
「そうです」
○指令員
「4-1-8調べてますけど
一軒家が見つからなくて…」
○通報者
「もう切るよ」
○指令員
「切らないでください。
場所わからないと救急車いけない」
○通報者
「だけど私も言ってるのに通じないから」
「ガチャ。ツーツーツー」
指令員が折り返すと。
○通報者
「私いま病院に入ってるから」
○指令員
「入院してるんですか?」
○通報者
「はい」
○指令員
「入院している人を
救急車で運ぶことは
できないですよ」
○通報者
「はい」
○指令員
「救急車は病院には行けないので
失礼します」
○通報者
「ガチャ。ツーツーツー」
○櫻井
「今のだけでも
3分から5分は要しているので、
その間に取れる電話も
いくつもあったように
感じてしまいました」
○通報者
「自分、生活保護を受給していて、
生活保護の書類かなんか
つながるところはないんですかね?」
○指令員
「ここ緊急回線ですので、
生活保護系の問い合わせは
市役所に連絡して
もらっていいですか?」
○通報者
「わかりました」
○櫻井
「緊急性のない、
違った通報も入りました」
さらに、こんな通報も。
○指令員
「東京消防庁です
火事ですか救急ですか」
○通報者
「あ、違います。
今日洋服に火がついちゃって
危ないことがあったのですが」
○指令員
「いま洋服に火がついたんですか?」
○通報者
「さっきです。でも大丈夫でした」
○指令員
「けがしてる方はいるんですか?」
○通報者
「いません」
○指令員
「住所教えてください」
○通報者
「え、どうして?」
○指令員
「服が燃えたっていうのを
確認しに行きたいので
住所教えていただけますか?」
○通報者
「え、でもそれは困ります。
ここ賃貸だから
そんなことされちゃうと
追い出されちゃいます」
○指令員
「でも電話いただいた以上
確認に向かいたいので」
○通報者
「それは困ります。失礼します」
○櫻井
「そうした連絡(不要不急の通報)
があるとその対応の間に
何件も対応できると考えると
なるべく少なくしてほしいと
思いますが?」
○東京消防庁
警防部 総合指令室
田久保 主査
「私どもは119番の通報に
いち早く迅速に対応したい
気持ちで常に勤務しています。
救急の適正利用について
十分ご理解いただきたい」
○櫻井
東京消防庁は、
救急車を呼んだ方がいいか
迷ったときは、
「#7119」に
電話してほしいと勧めています。
自分の、
そして誰かの命を守るためにも、
適正利用をどうかお願いします。