#077 変異「N501Y」「E484K」違いは?
「まん延防止」が適用された大阪。
4月5日に発表されたスクリーニング検査の結果、
新たに270人が変異ウイルス陽性だったことがわかりました。
その変異ウイルス、
気になる2つの変異の種類があるんです。
「N501Y」の変異があるのは
イギリス型と呼ばれるもので、特に関西で広がっています。
一方、「E484K」のみの変異があるのは
どこからきたタイプかはわかっていませんが、
東京の陽性者のうち、およそ半数を占めています。
この数字とアルファベットが何なのかといいますと
ウイルスには人の細胞にくっつく重要な「突起」があるんですが、
タンパク質の「501番目のアミノ酸がNからYに変わった」
ということを示しています。
変異そのものは頻繁に起こっているといいます。
関西で多い「N501Y」は、
従来よりも感染力が強いとされています。
一方、東京で多い「E484K」は、
感染力は従来と変わらないとされています。
東京よりも大阪の感染者が多いのは
このことも影響しているのかもしれません。
「イギリス型」「南アフリカ型」「ブラジル型」
と呼ばれているウイルスなどは
この「N501Y」の変異が見られ、
「イギリス型」に限れば致死率は
従来のおよそ1.6倍という報告もあります。
一方、「南アフリカ型」「ブラジル型」などには
「E484K」の変異もあります。
この変異の注目すべき特性は
「免疫やワクチンの効果を低下させる可能性」が指摘されている点です。
東海大学先進生命科学研究所の平山所長は
「変異によってワクチンの効果を
弱めるものも出てくる可能性がある。
『E484K』がそれであるという確証はないが
短期間で感染を押さえ込むことが重要だ」と話しています。
ただ、こちらについては
感染力が強まることなどが確認されていないため
医療機関の入退院の基準も従来と同じ。
また変異ウイルスかどうか調べる
スクリーニング検査の対象にもなっていないんです。
ただ、国会で政府分科会の尾身会長は
「東京も大阪のような状況になる可能性がある」と述べました。
東京でも緊急事態宣言解除後、
人の流れが増えた影響がこの1,2週間で出てくること、
また感染力が強い変異ウイルスの割合が
東京を含め、かなり増えていることを理由としてあげています。
変異は人から人へと感染していく間にも起きます。
先ほどの平山所長は
「これ以上、タチの悪い変異ウイルスを発生させないためにも、
感染者数を増加させないことが重要だ」と話しています。