#094 「交差接種」検討中~狙いは?安全性は?~
こうした中、ワクチン接種に関して新たな話が入ってきました。
それが、新型コロナワクチンの「交差接種」です。
「交差接種」とは1回目をアストラゼネカ、
2回目をファイザーなど「種類が異なるワクチン」を接種することです。
ワクチン担当の河野大臣のチームが現在検討していることが明らかになりました。
この交差接種ですが…
狙いは「スピード」と「効果」にあるようなんです。
まずは「スピード」。
河野大臣のチームは、「アストラゼネカ」のワクチン
(国内で生産でき、いまワクチンを加速化するために、自治体でも
接種が始まっているもの)
を1回目に。
2回目は「ファイザー」か「モデルナ」を打つ順番での交差接種について、
厚生労働省に見解を求めています
この順番が大事で、実は、アストラゼネカのワクチンは、
最大の効果を得るためには1回目と2回目を8週間以上空ける必要があり、
これが日本でも望ましいとされています。
一方でもし、8週間を待たずにファイザーかモデルナを打てれば、
2回目の完了が早くなり接種の「スピードアップ」につながるというわけです。
では、「効果」はどうなのか?
実際に打ってみた方が…
ドイツのメルケル首相です。
4月の1回目はアストラゼネカ。
6月の2回目はモデルナを接種したと報じられています。
海外では1回目にアストラゼネカ、2回目にファイザーなどを交差接種した場合に
アストラゼネカを2回打つよりも「より強い免疫反応」を示すという
研究成果が報告されており…
カナダでは、1回目にアストラゼネカを打った人は、
2回目はファイザーなどを「接種すべき」と勧告されました。
では、安全性についてはどうなのか?
アストラゼネカのワクチンは極めてまれですが『血栓症』の副反応が報告されていて、
現在、日本では原則として40歳以上の人たちが接種可能となっています。
ワクチンに詳しい、医薬基盤・健康・栄養研究所の保富康宏センター長に伺ったところ。
「『交差接種』自体は、従来のワクチンでも研究されてきた手法です。
ただし、コロナワクチンでやるならば、改めて2種類打った場合の安全性の検証が必要になる」
ということです。
厚生労働省でも「急いで検討する必要がある」と認識していて、
近く専門家による検討を始める予定です。