そのころ城島は、楽しい旅情から一変、窮地に陥っていた。
おじさん「今、国東行きが出たところですよ」
城島「え!?」

おじさんの指さす方向にわずかに見えたバスのお尻を追いかけるが、すでに到底追いつかないところまで行ってしまっていた。 伊美までは来たが、国東半島の先端、国東を目指すバスに乗り遅れてしまった城島。
城島「なんか考えんとなぁ・・・」

達也「おお・・・海かぁ」
ふと横を見ると、はるか遠くにうっすら見える海に気づいた達也。
少しずつ開けてきた景色に、山の頂上が近いことを感じていた。
達也「頂上だ!」
眼下に広がる景色を見据え、いつのまにか荒くなっていた呼吸を整える。
そして、
達也「行くか!!」
ついに達也は、巻き返しの期待できる後半のダウンヒルへと突入した!

一方、伊美からの交通手段を失い、少し焦りの見え始めた城島だが、
城島「なにあれ・・・??」
ポクポクと近づいてきたのは馬。この時期ここ国東半島で行われる流鏑馬(やぶさめ)の練習をしていたという馬。 そこで、これも立派な交通手段と考えた城島、ワケを話して乗せてもらうが、そのスピードは徒歩とあまり大差なく、しかしなんとかこの馬の牧場まで移動することができた。