翌日も彫り作業は続く。
掘り進めてようやく深さの目安の1cmに。
達也「ツルツル感と凹凸感が良いね」
マコモズミを活かしたお盆づくり。
木地の上から漆を塗っては磨き、塗っては磨きの下地塗りを数回繰り返し、いよいよ色漆を用いた上塗り段階へ。
色漆の乾くタイミングを見極め、マコモズミを吹き付け、磨き上げれば凹凸部分だけにマコモズミが残り、陰影となって浮び上がる仕組み。

そんな陰影をさらに活かすため、模様をつけることに。
達也は、村のシンボルのアヒル村長に、一方の松岡は、日本の象徴の富士山と三日月にそれぞれ決定。
いよいよ、その下絵に沿って彫っていく作業に取り掛かる。
1mmも彫れば、イラストは十分浮かび出る。
筋彫りに刀痕を残し、絵の浮き出しと凹凸にこだわりつつ彫り進め、次の工程に。

しかし、その前にもう一作業が残っていた。
それは、フチが割れてしまった箇所の修正。
その対応は、村のクズ米を潰し、湯煎する事5分程で、糊状に。
漆と混ぜれば米のデンプン質が接着剤にもなって、昔ながらの米粉漆の完成。
隙間なくたっぷりと塗り付け、押さえ固めれば、僅か数十分で…。
達也「すごいね、もう固まってる」
ぬり箸でも経験済みの木地に漆を吸わせると共に、補強にもなる木地固め。
破損部分に塗り込めば、より頑丈な補強にもなる。