塗りと研ぎを繰り返し、下地塗りを3度終え、研ぎが終わればいよいよ色を塗る工程に。
顔料に漆をまぜ、下地として塗る色漆。
ちなみに鎌倉彫では本朱(赤系)を軸にすることでマコモズミの陰影がより際立つ、という。

鎌倉彫に習い松岡はメインとなる本朱を軸に純和風。
ただし、漆の質感は、絵の具とは違い、きわめて堅い。
村長を描いた達也は本朱と山吹で橙色をつくり、共に塗り終えた所で山場を迎える。
漆を塗った直後にマコモズミを振り掛ければ、漆の中に埋もれてしまい、漆が完全に乾いて固まってしまうと、マコモズミがうまく付着できない。
そのため、漆が乾き始まった頃合いでマコモズミを振り掛ける事で漆の表面にうまく残り、凹み部分に残ったマコモズミが陰影となって浮かび上がる。

乾燥の目安は吐く息が白く見えることだというが…。
塗り箸同様、漆は湿度で乾くもの。
そこで湿度を上げることに。
漆が乾く適性環境は温度20〜30℃、湿度70〜75%と高め。
七輪を炊き、おしぼりを添えて湿度対策。
達也「早く乾けば良いな」