一方、村では責任を持って、まずやらねばならない事がある。
それは、自分たちで蒔いて汚染させてしまった、ヒマワリの処理。
これには以前よりJAXAから、ある提案がされていた。それは、100度近い高温でバクテリアにより発酵分解を促す“高温好気堆肥菌処理"という、有機廃棄物の容積を約1/100にするシステム。
山下先生「実際にDASH村のヒマワリを使って実験させて頂きたい」
つまり、汚染されたヒマワリを実際に処理した場合の汚染度と、集積できる量の関係を割り出すための実験。

そのデータを活して、大規模な施設での活用を模索し、国や自治体へ提案するのが目的という。
山下先生「(これらの実験は)一般の方に提案するためのものではない」
長谷川さん「表土をはぎ取っても土は小さくならないため、 その処理問題の解決は困難。ならば植物での除染〜減容という考え方は、まだ一つの方法として研究していきたいこと」

そして、その保管方法にも村での試験的利用に模索していることが。

それは、放射線を遮る硫酸バリウム入りのコンクリート建材。
硫酸バリウムとは、胃のレントゲン撮影などの際に飲む、あのバリウム。
長谷川さん「放射線を遮蔽してくれるので胃の形がわかる」
提案は、その遮蔽効果を利用し、この建材で建てる汚染植物の一時保管庫。
ただし、検証できているのはX線に関する遮蔽効果のみ。
セシウムから放射されるガンマ線への遮蔽効果は、まだ調査段階。
上手くいけば、放射線量の温床である落葉の処理にも役立つ可能性はある。
達也「DASH村で出来ることを確実にやっていくしかない」