そして最も煙がたまる場所、2階へ。
達也「(鰹節)だいぶ縮んだな」
表面の黒さは煙の成分であるタール分によるもので、雑菌の侵入を防ぐ。
城島「硬いですね、かなり」
水分量を比較すると、蔵に入れる前の3分の1の状態。
こうすることで、長期保存ができる、昔ながらの知恵。
そして、煙で黒くついた部分を削りながら形を整える「削り」。
この削りで作り出す、鰹の丸みを表現した美しい曲線が、高い値段をつける鰹節の秘訣。

そうして出来るのが「裸節」。
主に関西に出荷され、香りが強いのが特徴、うどんのダシなどに使われる。
さらに、この「裸節」に専用のカビをつけ、天日干しを4か月以上、水分を更に減らし、旨味成分を引き出したのが「本枯節(ほんかれぶし)」。
上品で濃厚な味が特徴で、濃い口の関東風そばつゆのダシなどに使われる。
こうして、こだわりぬいた本枯節の中でも、特に形が良く、ダシも良くでる、上り鰹で作った枕崎の本枯節は、最高級品ともなると、一本およそ8000円の値がつく。

ちなみに、神山鰹節店の自慢の鰹節を、この方に見て頂くと、
道場さん「いい仕事してる」
言わずと知れた、和の鉄人・道場六三郎。
和食の道、60年以上の男も駆け出しの頃は、毎朝の削り節作りが日課だったという。
そんな道場さんが久々に腕をふるい、神山鰹節店の本枯節を削る。
高級かつお節の削りたて、鉄人がすすめる、削り節料理は“ほうれん草のおひたし"。
上品な本枯節は、引き立て役として頂くのが道場流。