7月28日

目を閉じて横になり、ただ、波の音だけを聞いていると、波にはひとつとして同じものがないことがわかります。
力強い波、ためらいがちな波、こっけいな波、後にひく波・・・。波の立つ音と砕ける音、そして、引いていく音が、それぞれの波の顔色を伝えてきます。
波のやってくる間隔も、規則正しいようでいて、けっこう適当です。タイミングを計って待っていると、はぐらかされたり、波に合わせて呼吸したりしていると、見事に裏切られたりします。
私は、まどろみながら、波の音を聞き、今度は波のかたちを思い描きました。
高い波、白い波、輝いている波、かっこいい波、形だけの波・・・。広い海ぜんぶの力を集めてここに辿りついた水は、ほんの一瞬、屏風のように立ち上がって波となり、すぐに勢いを失って疲れたように、元の場所へ帰っていきます。
ふきだした汗を吸い取ってくれる、ひんやりとした風が吹いてきました。
おもむろにまぶたを開くと、はけでさっとはらったような雲がたなびく、うっすらと青い空。
浜に寝ているはずの私は足を冷やしに波打ち際に行こうと立ち上がると・・・・・・ここはDASH村。
昼下がり、夢うつつの中で聞こえていた波の砕ける音は、水車にたまった水が落ちる音でした。
今、DASH村には夏の色があふれています。
ただ、夏は潔く、そして、儚いものなので、夕暮れのときに吹く涼しい風に、私は、夏の終わりを感じています。
夏とは本当に短いもの。









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