DASH村は今、溢れる緑。
里山に入ると、この1週間でまるっきり景色が違うので驚いた。地面の草がどんどん育ち、木々の葉っぱもみるみる増えている。見上げると真っ青な空を背景に、葉っぱが太陽の光で透き通り、きらきらしている。緑がまぶしいってこういうことをいうんだな、と思った。とても綺麗で、力強い。みんな生きよう、生長しようってしている。世間で言う五月病なんて里山の自然には全く無縁のようだ。


こゆきとこてつは、マサヨ母さんの心配をよそに今では田んぼや井戸のあたりまで足を運ぶようになりました。
若々しい草をむしゃむしゃと嬉しそうに食べるふたり。食べては飛び跳ね、走りまわり、じゃれあい、そしてまた食べる。ふたりには少しも落ち着きというものはなく、そのへんは人間の子供と少しも変わらない。しかし、考えてみれば彼らにとってはごちそうがどんどんと地面から現れる様なもの。はしゃぎたくもなるわけだ。


田んぼでもすくすくと生長しているものがあります。
田んぼの一画、いちばん井戸寄りにつくられた苗床の中で稲は7cmほどになった。種もみを蒔いてから2週間。種というより、普段食べている米粒から、芽が出てくる。そこになんともいえぬ歓びがある。
この苗が15cmくらいになったら、いよいよ田植えです。
最近、クロスケ他、メスたちはぷくぷく太っている。田んぼの主役となる仔ガモ軍団、その仔たちを産み、育てるという大事な役目が待っているからだ。3代目が生まれ、彼女たちが母となる日も近い。さあ、コゲラとどちらが早いでしょうか?
草を食べ終わったこゆきは僕の背中に飛び乗り、こてつは3cm程に伸びたツノで僕の足元をグリグリ押してきた。前より重く、力強くなっていることを感じながら、心配しているマサヨの元へ急いだ。


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