毎日、金槌の音が響き渡るDASH村。役場の建て直し作業は、心強い助っ人を迎えて順調に進んでいます。


島崎棟梁の教え子である市川三恵子さんは、よくしゃべり、笑顔の絶えない明るい人だ。自然や動物が好きで、ここの環境にすぐに慣れてしまった。お昼の休憩の時には明雄さんや金光さんとこの地方の家屋の話したり、八木橋たちに餌をあげたりしている。
そんな市川さんだけど、役場の敷地に入ると急にキリリとした職人の顔に変わる。金槌と鑿(のみ)を巧みに使い、あっという間に綺麗な貫穴を作り、そして大きな木材をひとりで軽々と運ぶ。一連の動きに無駄がなく、見ていて惚れ惚れしてしまう。


晴天が続いているDASH村。水車が水路から流れてくる水をガブガブ飲み込むかのように勢いよく回転しています。


北登はここ最近、水車の水路の下で涼むことが多い。僕も北登に身を寄せようとしたら、下にたくさんのナナホシテントウがいて、座れなかった。所在なげにしていたら、ふいに僕の目の前に天然記念物が現れた。
モリアオガエルだ。
DASH村にモリアオガエルがいることは以前明雄さんに聞いたことがあったけど、実際目の前にすると、少し緊張し、そして大きく感動した。
僕に気付いたモリアオガエルは水路の中に飛び込み、そしてそのまま水の流れに身を任せて気持ち良さそうに泳いでいった。でも水路の水はその先、急落下し水車に飲み込まれてしまう。心配になって、僕と北登は水車まで走った。
水車から流れ落ちる水をじっと見つめ探したが、モリアオガエルの姿はどこにもない。どこに行ったんだろうと思っていたら、また突然現れた。水車に張り付いて、一緒に回っていたのだった。大きな吸盤でしっかりと水車を掴まえ、逆さになろうが横になろうが余裕綽々といった表情。僕たちが見ている前でそのあと何回転かし、そしてピョコピョコと田んぼの方へ跳ねていった。


その田んぼ。梅雨が来るまでにやる事が山ほどあります。暑さにも、これからやってくる梅雨にも負けないように気を引き締めて作業に取り組まないといけません。


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