この村で村人として暮らし始めて、二ヶ月が経ちました。
そのたったの二ヶ月の間に、季節が変わり、植物は生長し、動物たちも成長しました。その変化を日々見ながら暮らしているうちに、僕も何かが変わってきた気がします。


自分で植えた種から芽が出た瞬間。蕾が開花する瞬間。青い実が赤く染まる瞬間。
そんな瞬間に出会うたび、ほっと息をついたあと、ニヤリと頬を上げてしまう。小さなことかもしれないけれど、ここで暮らす大きな楽しみになっている。
今週も、また新しい花が咲いているのを発見しました。
去年そば畑だった場所の近くに咲いているアカツメクサだ。そのすぐ横にたくさん咲いているシロツメクサの中には、もう枯れてしまって下を向いているのもある。二つの花は名前もそっくりだが、シロツメクサが“春の花”なのに対し、アカツメクサはより夏に近い頃に咲きはじめる“夏の花”なのだそうだ。確かにアカツメクサの方がシロツメクサよりも太く、長い茎を持ち、花も一回り大きいようだ。
色が違うだけのようで、よく見て、そしてよく知ることで、いつも目にする風景から発見が生まれる。ここが春と夏の分岐点なんだ、と思うと、2つの季節をいっぺんに味わえたような気がしてすごく得をした気分になった。


6月7日はつかさの誕生日。つかさも0歳から1歳になりました。

弟、つばさのこともあり、桜の季節には元気のなかったつかさ。最近ようやく元気を取り戻し、前にも増して人懐っこくなった。村の中を歩き回り、ときには走り、草をムシャムシャ食べて、さらに餌をねだる。つばさの分まで大きく成長し、角と髭は及ばないけれど八木橋そっくりになってきた。今週で1歳になったばかりとは思えない。


ここ最近のことだけど、作業している時、明雄さんからたまに褒めてもらえるようになった。明雄さんからすれば当然「まだまだ!」だけど、こんな嬉しい事はない。
僕もやっと0から1になれた、ということでしょうか。


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