入梅したDASH村。その少し前に大きく様変わりした一画があります。
それは田んぼ。まだ幼い苗が淡くむらなく広がり、新たな息を吹き込まれて精彩としています。



田植え定規の印に合わせて3〜4本の苗を1ヶ所に植える。植え終えたら定規をかえして・・・
簡単なようでこれがなかなかうまくいかない。手伝いに来て頂いた方々よりもどうしても遅れてしまう。
「コツはな、保原君。右手じゃなくて、左手だよ」と明雄さん。右手で苗を植えている間に、左手の親指と人さし指で苗の束から3〜4本よって次の準備をしておかなければならないという。これを明雄さんも孝子さんも見ないでやってしまう。そして一歩後退し、足跡をササッと手でならし、また苗を植える。この一連の動きが流れるよう。見とれていたら、また少し遅れた。

最後の苗を植え、ひねるたびにバキバキと音のする腰を起こすと、目の前にはきれいに整列した苗が一面に広がっていた。それを見たら自分にも出来たんだという満足感と、爽快感で疲れがふっ飛んでしまった。
苗を取る、苗をくくる、田植え定規を転がす、そして苗を植える。ひとつひとつに理由と工夫があり、思っていた以上に奥の深い作業。お味の方も想像を越えるものになるだろうか。秋の収穫が今から待ち遠しい。



梅雨入り前のカラリと晴れた午後、役場の作業中にかすかな鳴き声が聞こえてきた。耳を澄ましてみると、どうやらコゲラの巣からのようだ。もう少し近付こうとしたら親鳥が口に何かをくわえ、巣に戻ってきた。中に引っ込んだ親鳥はすぐまた顔を出し、「ギィ」とひとこと鳴いたあと飛び去っていった。その一部始終を見て、ようやくひとつの答えに達した。
ヒナがかえったんだ!
外からではヒナの姿が見えないけど、心配する必要はなさそうだ。「ピィピィ」鳴く声は元気そのものだし、親鳥が餌を運んでくる回数が多いのは、よく食べている証拠だ。


桜の木の前の田んぼが今よりももう少し緑濃くなる頃、生まれて初めて巣から顔を出すコゲラの子供たちは、目にしたDASH村をどんな風に思うのだろう。土と水と緑とさわやかな空。気に入って、このまま村の住人になってくれる事を願い、今日も村づくりに励んでいます。


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