ヤゴからトンボへ。実際に脱皮する姿を観察しても、この形の生き物の中からトンボが出てくることがとても不思議でならない。大きさは倍くらいになるし、形もまるで違う。トンボがヤゴの中にさっきまでいたという事実を受け入れることの出来なかった僕に、「アイガモの雛と同じだよ」と明雄さん。理解ではなく、納得させられた一言。
今日発見したのはオニヤンマ。脱皮したての体は、人間や他の動物の産まれたてと同じく濡れていて、見るからに軟らかそう。オニヤンマは抜け殻にしがみ付いたまま、その体を空気にさらし、乾燥させる。羽が完全に乾き、薄かった黄色と黒色の模様がくっきりと濃くなる頃、ふいに宙に浮いたかと思うとそのまま飛んで行った。明雄さんと二人で見えなくなるまで見ていた。オニヤンマが消えていく空はとても夏めいて見えた。

七月に入り、梅雨らしい、雨の降る日が多くなった。しかし、その雨と雨の晴れ間には、本格的なギラリとした夏の日差しがこぼれ、空には夏らしいくっきりとした雲が浮かぶ。そして、ひまわりが顔を出した。


水車の前に咲くひまわり。
どんな花よりも、僕はこのひまわりから大きな生命力を感じる。太くて長い茎はとても力強く、太陽がそのまま形になったような花は明るく陽気で、見る者に元気をくれる。晴れ間には、ひまわりの大きな影がくっきりと地面に現れ、そこが北登の新しい涼み場となっている。


七月七日は七夕。先週、ちょっと早めに竹を切ってきて、古民家の端の方に立ててみました。茅葺きの家がさらに和風に感じられ、七夕が楽しみになりました。皆様からの願い事がこの一本で足りるか心配なので、もう一本増やそうと思います。


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