風に吹かれ、踊り出す里山。潤った木の葉が太陽の光を反射して、DASH村は緑の光で溢れています。お腹一杯に水を飲み、元気一杯の里山。そこで暮らすヒグラシの声も日に日に大きく元気に聞こえます。


そんな里山の麓に完成した井戸。一年以上の時間を要しただけに、立派な井戸となった。
地面の下から湧き出た水はとても冷えて、ずっと手を入れていられないくらい。はじめは泥が混じって濁っていたものの、何度も汲み出していくことによって、その透明度も増してきた。普段、水の味を気にすることなんてなかったけれど、井戸完成の時に飲んだ水は本当に美味しかった。自ら求め、手に入れた水。水のありがた味が強く身にしみる。
北登も気に入ったこの井戸水。今後、畑でも果樹園でも、その収穫物を冷やす冷蔵庫としても、いろんなところで活躍できそうだ。


この時期、待ちわびていたものが遂に顔を出した。井戸の周りで飛び回る蛍。まるで井戸の完成を祝って照らしてくれているかのよう。
期待はしていたものの、そう簡単に見られるものでもないと思っていた。そう思っていて、不意にあの光を見たときはとても感動した。とても綺麗だけど、すぐになくなってしまう、はかないもの。それがわかっているだけに僕はしばらく離れられず、そこに座って、ほのかに点滅する光を眺めていた。


黄緑色の光は、どこか物悲しく、それでいてすごく落ち着く優しい光でした。


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