先週までは、涼しくなるたび夏が去ってゆくのを感じていたけど、今週はぐっと寒くなり、冬が来たのかと思うほど。
少々の肌寒さを感じながらも、油断して薄着で床についた。夜中に降った雨のせいで、朝方にはさらに冷え込み、僕の顎はカタカタ音を立て、震えが止まらなかった。そして、その生理現象は僕に雪の降る真冬のDASH村の風景を連想させた。いつもは動物や草木からじわじわ感じさせられる、季節の変化だけど、今回ばかりは自分の顎がいち早くそれを教えてくれた。昼になってもまだ肌寒かったので、囲炉裏に炭を入れると、そのやさしい暖かさと炭のはじける音が、ますます鮮明に冬の風景を思い起こさせた。


秋分を過ぎ、ますます日が落ちるのが早くなった。「秋の日は釣瓶落とし」という諺にあるように、秋の日暮れは早い。綺麗な夕焼けを見ていると心が落ち着くのだけど、最近は落ち着く暇もなく釣瓶が井戸に落ちるが如くすぐに真っ暗に。しかし、この時期の綺麗な夕焼けは、すぐに消えてしまうからこそ、美しく思えるのかもしれない。
里山の中で早くから色付いている木の葉は、山桜の葉。黄色や赤に色付いた山桜の葉は、時折降る雨の滴の重さに耐えきれず、早々と落ち葉となりだした。変色した葉が里山の一角を鮮やかに彩っていた山桜。まだ多くの葉は枝に留まっているけれど、地面に落ちる葉も時間とともに増えてきている。しかし、これらもまた、すぐに落ちるからこそ美しく思えるのかもしれない。


9月は「色を取る」を言う意味からか、別名、色取月(いろどりづき)とも言うらしい。今週から始まる10月は、どうか、彩り月となって欲しい。

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