確信は無いけれど、異国の地では、おそらく見ることのできなさそうなこのDASH村の景色。
田んぼの下の柿の木は、小粒ながら黄色い張りのある実をつけた。その背景に滲む赤、黄、緑の木の葉。
落ち着いた色合いの柿と木の葉が一度に視界に入る。
独特なこの色調を見ながら、和の風景とは、まさにこの事だと思った。


そんな風景の下の方には、犬蓼がまだまだ力強く群生している。そのとなりには秋の草がもうひとつ。それはエノコログサ、別名ネコジャラシ。ほぼ日本中どこででも目にすることができるこの草。小さい頃、学校帰りに道端に生えていると、とりあえず引っこ抜いて、下校をともにした記憶がある。綺麗という植物ではないけれど、あの容姿から感じる愛嬌のせいか、つい引き抜いて遊んでしまう。そういった行動は、時が経っても変わらないみたいで、今日見ていたらやはり抜いてしまった。茎を持って振り回したり、先の毛の方を握ってふにゅふにゅと毛虫みたいに動かしてみたり、無関心な北登をくすぐってみたり・・・。
僕は何してるんだ・・?と思いつつも、少し楽しかった。


夏が去ったのを感じ、秋が深まるのを感じ、冬が迫るのを感じ・・・。
なんか忙しそうだけど、ここDASH村に生きるものはみんな同じことを感じ、営んでいる。そして各々、芽吹いたり、実をつけたり、伸びたり、朽ち果てたり、毛が生え変わったりと季節の移り変わりに対応している。
僕もそんなDASH村の風景を見て、そろそろジャンパーを着ようと思った。


前の週 次の週