畑に突き刺さっているたくさん竹の支柱。そのてっぺんは、今年もトンボたちの特等席となっている。


 先週からちらほら見られるようになったこのトンボは、「アキアカネ」という代表的な赤とんぼの仲間。しかし、赤とんぼと言っても体の色は赤くなく、黄色。アキアカネは秋になるにつれ、体が赤く染まっていく。そんなまだ黄色い赤とんぼは、村の支柱が満席になるほどに現れだした。
  このアキアカネは本当に支柱が好きなようで、僕が近づくと驚いて逃げるものの、すぐに元の支柱へと戻ってくる。アキアカネにはお気に入りの支柱があるようで、なかなかそこからは離れたくないようだ。


 そこで僕は少し意地悪をして、飛んでいる間に支柱の上に指を置いてみた。そうすると、アキアカネは躊躇するように指の上空を少し長く飛んで、結局僕の人差し指へと止まった。そして、そのアキアカネは難なく僕に捕らえられた。罠という罠でもないのだけれど、そのアキアカネは「しまったっ!!」と羽をバタバタさせた。あまりに暴れていたから可哀想になって放すと、「そう簡単に捕まってたまるものか」と言わんばかりの飛び方で僕の近くを飛び回った。落ち着きなく飛ぶアキアカネ。まさかさっきまで捕まっていた僕の指に止まりはしないだろうと思ったけれど、今度は支柱の上でなく、人差し指だけを差し出してみた。するとアキアカネは「おっ!いい支柱発見!」と言わんばかりの動きで僕の指の先に舞い降りた。そしてまた「しまったっ!」とバタバタ暴れた・・・。アキアカネは特に支柱に思い入れはなく、ただ「先端」が好きなようだった。


 気の早い赤とんぼもいいけれど、やはりこの時期はホタルが見たい。守山先生は「DASH村はどんどん生き物が住み易い環境になっている」と言っていた。今年は昨年よりももっと水辺が明るくなることが期待できそうだ。

 

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