今年のどでカボチャは失敗に終わった。「失敗」と一言でいってしまうのも酷なようだけど、目標がはっきりとしていただけに今回は失敗というしかなさそうだ。


 美味しくなくても形が悪くてもいい、ただただ大きくなってほしいと願った。でも、カボチャの実は全てすぐに白くしおれ、腐ってしまった。何が悪かったのかさっぱり分からなかった。 どでカボチャの大会会場には化け物のようなどでカボチャがたくさんあった。ピカピカしたオレンジ色の表面、抱きついてもびくともしない重量感、僕の太ももくらいある太い果柄。優勝した星島さんのなんか重さ416,6キロもある。もうレベルが違う。今まで自分たちもこのくらいのができるのだろうと想像していたのに、実物を目の前にすると怖気づき、「こんな大きさのは無理だな」と思えてしまった。  でも、大会出場者の方々の話を聞くうちにその思いも少しずつ薄れていった。間違いを指摘されることで、もっとどでカボチャのことを知ればもっと大きなのができると感じられた。


  さらに、僕はまだまだどでカボチャに対して愛情が足りないとも思った。出場者の方たちは、どでカボチャをまるで我が子のように扱っていた。そして、はかりの数字が大きければ大きいほど、誇らしげだった。食べられるわけでも、出荷するわけでもないけれど、そこにはしっかりとした愛情があった。同じ農業でもこんな風に、作物を競い合わせて評価されるのも面白い。そして、自分もその競争の輪の中に入りたい。今回の失敗からはそんなことを思った。
  今度は、トラックで運ぶくらいの大きさにはなりたい。


 ますます秋が深まる村では、ヤマザクラ以外にもちらほら紅葉する木がでてきた。気温もグッと下がって、僕ももう衣替えが必要だ。田んぼの稲も黄金色の頭が重そうでいい垂れぐあいになってきた。そろそろ収穫だ。この稲を刈れば今度は田んぼに切り株が並ぶ。そうなると村全体がいっそう秋らしい風景になる。DASH村の衣替えももうすぐということだ。


 

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