今週からもう十一月。いっそう厳しくなる寒さからは、少しだけ冬の気配も感じられるようになった。


 古民家の東にある木々の葉は、ここまで足並みをそろえてきたかの様に、みんなそろって橙色になっている。もみじの赤い色とはまた違う良さがある。日の光がにじみこんだような鮮やかな橙色は散りゆく間際だとは思えないほど元気の良いものに見える。しかし、ちょっとした優しい風にも、やはり堪えきれずに木から離れて一緒になって飛んでいってしまう。木についていた時の元気そうな姿ではなく、風に運ばれる時は力なくクルクル風に舞わされて、少し遠くまで飛んでいってしまう。綺麗な光景だなと思って見ていたけど、少し物悲しい部分もあった。


 いつの間にか、地面が落ち葉で埋もれはじめた。カラカラに乾燥した茶色い落ち葉は、何故かみんな葉の両端を丸め込んで縮まっている。その姿は、疲れ果ててぐっすり眠っているようにも見える。「おつかれさま」と声をかけたくなるくらい。よく見るとそういった表情を浮かべている様にも見える。そして、一枚一枚の葉が歩んできた一生がほんの少し垣間見られるような気がした。


 葉の一生が終わる。そう思うと少し悲しくなる。けれど、焼き芋ができる。そう思うと少し嬉しくなる。この季節が終わる前に、焼き芋を食べよう。


 

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