今年は1月20日からが大寒。 二十四節季の中で最も寒い頃だけれど、今年はそうでもないようだ。大寒になった途端、日中の日差しが強くなり、少しだけれどポカポカさえするように感じる。僕は直感で、2005も薄くなってきている。一人前ぶって直感を働かせてみたものの、本当に天候だけはやっぱり読めない。

毎年、大寒が近くなるといつもこの光景が見られる。 それは、鏡開き。今年の鏡餅はいつもに増して細かく砕いた。それを練ったり、乾燥させたり、焼いたりして完成したのが煎餅。馴染み深い煎餅だけど、自分たちでつくるのはもちろん初めて。しかし、初めてながら完成したものの味は今までのどの煎餅よりも美味しいと感じた。味だけでなく、アゴで感じるあの独特の硬さも、テカテカのタレも、満月みたいに丸い形も、文句なしの出来上がり。一枚の煎餅でタレの量がかたよっていたり、一部分膨らまなかったり膨らみすぎたりで、少しぎこちなさもあったけれど、それがまたなんともいい。そして、なんと言っても湯気がたつホカホカの煎餅は絶品だった。焼きたての煎餅を食べたのは初めてだったけれど、「これぞ煎餅」というような感じで、しっくりくるところがあった。そう簡単に食べることは出来ないけれど、僕は焼きたての煎餅の虜になった。





昔の人も小寒から大寒へと変わる頃、こうやって囲炉裏で暖をとりながら出来立てホカホカの煎餅を食べていたのだろうか?

また、僕みたいに保存用の瓶から煎餅を取り出して、もう一度囲炉裏であぶってから食べてみたりしたのだろうか?そして、失敗して焦げてしまって、一度冷めた煎餅は冷めたままの方が美味しいと気付いたのだろうか?




 

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