「春に三日の晴れなし」その言葉通り、今週は晴れたり曇ったり雨が降ったり。
 雨が降ると、不意をつかれたように体が寒がるけれど、晴れると今度はすぐに体が暑がる。
 そんなとき腰に付けた瓢箪が、喉を潤してくれる。春の忙しい畑仕事のときにいつも冷たい水が飲めるのはとても便利だ。しかもそれはただ便利なだけでなく不思議な力も備わっている。そのおかげで、今日も一段と畑仕事に精がでている。

 そしてその不思議な力は、今回の瓢箪づくりの過程と大きく関係している。




 ちょうど一年前のこの時期は、ひたすら穴を掘っていた。それは瓢箪の土づくりのための穴。過去二回の挑戦が残念な結果に終わっているせいか、「DASH村で、瓢箪はできないかもしれない」そんな気持ちで穴を掘っていた。そんなことだから、作業も余計にしんどく感じ、土づくりをはじめ、昨年のこの時期は、しんどかった記憶ばかりが濃く残っている。
 でも、瓢箪が棚に実り始めた夏頃から同じような作業をしても、それ程苦にはならなかった。日に日に大きくなる瓢箪を見るのは楽しみでもあった。そしてそれは瓢箪を収穫しても、加工し終わるまでも、ずっと同じ気持ちだった。

 最初からその気持ちでやればよかったのだけれど、二度の失敗からは今回の大成功はなかなか予想しづらいものがあった。でも、今年からはもう違う。腰に付いている瓢箪を見ると、出来ないものも出来てしまうような、そんな気持ちになる。土の下の小さな種でもいつか、腰に付いている瓢箪のように、きっと実って自分たちに何か与えてくれる。そう思える。
 腰に付けた瓢箪には、そんな力も備わっている。




 

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