元気よく伸びる田んぼの稲の中、負けずに元気よく成長する5代目アイガモ隊。産まれて一ヶ月ほどなのに体の大きさも毛の色も、もう大人に近づいてきた。

 とは言うものの、田んぼでパトロールする姿は仕事中と言うより、遊びに夢中であるように見えて、まだまだ幼さがある。あぜ道の土手に腰を下ろしてジッとその様子を観察していると、まるで公園で遊ぶ子供たちを見ているような気になる。急に猛ダッシュしたり、群れから少し離れてみたり、ただただウロチョロしてみたり、一体何を考えているのだろうかと不思議になるほど、とにかく元気に動き回る。




 しばらく遊びに夢中になっていると思えば、誰からともなく急に疲れ始めて、トコトコと田んぼの隅へ集まってくる。みんなで田んぼから上がると、そのまま足を折りたたみ、9羽が寄り添って座り込む。相当疲れたのか、座り込むと全く動かなくなって眠り始める。寝顔を近くで見ようと思って近寄っていくと、みんな一斉に僕に気付き、また田んぼに入ってバシャバシャと遊び始める。さっき疲れて昼寝したことを忘れているのか、また何十分もそのまま田んぼで遊びに夢中になる。

 田んぼデビューしてから毎日こんなことをしているけれど、飽きずに楽しそうにやっている。楽しそうなのもいいことだけど、それがアイガモ隊にとって食べて暮らしていくことそのもので、さらには僕たちの食べる米を丈夫にすることだということも、とてもいいことだ。




 

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