でもやっぱり、便利なものばかりに頼った生活を送ってきたことを考えると仕方がないことなのかもしれないとも思う。むしろ、便利なものばかり使って環境を破壊して、他の生き物みんなに迷惑をかけている。迷惑された方からしてみれば、そっちの方が納得のいかない話だ。 |
「この暑さは何だ?」の答えは、この村で暮らす前に扇風機やクーラーなどに頼りすぎていた僕自身に聞くのが一番速く、正確だった。村でただ一人暑さに嘆いているのがよく理解できた。 |
あまりの暑さからきた怒りが、結局自分の方へ向けられてしまった。こうなればもう出来る限り薄着して、汗を汗で流すしかない。流す汗がなくなれば井戸水を飲んで、浴びて、冷やしたスイカなんかを食べて・・・。とても贅沢だ。 そう言っているうちに眉間によせたしわもなくなって、村のみんなと同じ「生き物」になれることができると思った。きっと墓の中のご先祖様もそうやって夏を乗り越えてきたのだろう。 |