それにしても、僕以外の出場者のみなさんの作業スピードはとてつもない速さだった。畝づくりも、薪割りも、おにぎりづくりも、縄もじりも、全てが僕とは桁違いに速かった。しかも仕上がりは綺麗になっている。 僕が一番驚いたのは薪割り。見たこともない割り方でどんどんわっていき、割られた薪は均等な太さになっている。こればかりは悔しいと思うより先に、どうしたらそうできるのか見て学ぶ方が先にきてしまった。 |
運動会という名目で挑戦してみたものの、やはりまだまだ僕なんかは足元にも及ばないことがよく分かった。普段見ているのが全てではなく、あの人たちは僕が見ているよりも思っているよりもはるかに凄い人たちだった。 |
「競争なんかしたことねえから今日は疲れちゃったよ。でもやってみると面白いもんだな」明雄さんは最後に笑いながらそう言って軽トラックで帰っていった。 |