夕暮れ時になると、日中に流した汗がさらっと消えてなくなるほど、心地良い涼しさがやってくる。一日の中でも、この時が一番今の時期を体に覚えさせることができる。「夏が去り、秋が来る」夕暮れ時はそういった時間だ。

 その時間を過ぎて太陽が完全に沈むと、急に気温が下がり始めて「肌寒い」と感じる。そう感じた時には、もうこの村に夏らしいものなんてほとんどなくなって、秋らしいものばかりが感じられる。




 秋の夜には綺麗な月が見える。今夜もDASH村には綺麗な真ん丸い月が見える。その月と、その月明かりに照らされる村の全てのものは、本当に「秋」の装いをしている。そして、それらを眺めている僕もまた、月明かりによって身も心も秋らしくさせられる。

 夜空を歩く月を見て、時間がゆっくりとじっくりと流れていくのを、上着を羽織ながら感じる。
 明日の朝になれば、また夏を帯びた景色が広がる。そして、太陽が沈めば、また「夏が去り、秋が来る」。




 

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