ここDASH村の春にも三日の晴れはない。清々しく晴れてもそれは長く続かず、すぐに曇りや雨になり、時には雷も伴う。気まぐれな春の空は、まるで落ち着きのない子供のように僕らを巻き込み、騒ぎ立てている。 |
そんな春の空も、ただ光と水を気まぐれに地に注いでいるわけではなさそうだ。地上にはそれを糧として生きるモノが多くいる。長くツボミのままでいたスイセンや、役場裏ですくすく育つツクシ、そしてもちろん僕らも。みんながこの無邪気な春の空の恵みを受ける。そんな空に感謝しつつも、晴れ間がもう少し長く続くことを僕は密かに願っている。 |
すれ違ったこの二頭の山羊は、見えない糸でつながっている。家族でもなければ恋人でもなく、同居人でもない。けれど、僕にはそう感じられて仕方がない。
それを確認する意味でも、たまにはこうめの様子を見に行こうと思う。 |