快晴が続いた今週は、とても心地良く過ごせた。強めに照りつける太陽と、新緑を揺らす春の風が息ピッタリ合って、身も心もすっかり安らぎ、この地にいながら黄金週間をしっかり楽しめた。

  ただひとつ心配だった桜の花も、この晴れ晴れしい天気に後押しされ、ピンク色をのぞかせるようにまでなった。それでもまだ開花といえそうにはないけれど、ここまでくればもう安心。あとはこのピンク色が開き、そして、地に舞い落ちるまでを見届けるだけだ。立夏が過ぎたとはいえ、桜が咲くまでは村に本格的な春が訪れることはなさそうだ。


 まだ咲かない桜をおいて、DASH村では春がどんどん芽生えている。里山に入ると足元にも、頭上にも、枝という枝から小さな緑色を見ることが出来る。瑞々しく、弱々しくも見えるけれど、陽を透かせるその緑色は正に「新しい緑」で、枝が生きていること、木が生きていること、そして里山が生きていることを思わせる。生まれたてというのは、どこか不思議な力を持っているように思うほど、小さな新しい緑の存在感はこの村にとってとても大きいものとなっている。




 そして、まだ昨年の切り株が並ぶ田んぼの端の苗床にも生まれたての、新しい緑がある。こっちもまだまだ頼りない格好ではあるけれど、生きる力が苗床の中いっぱいにみなぎっているのが分かる。

 春は、みんなが生きようとする始まりの季節。いろんな場所に生まれたての不思議な力を感じることが出来る。この村には、人間のように泣いたりハイハイしたりするものはないけれど、色や形や匂いで、しっかり生きていることが分かる。そして、弱々しいからこそ、どうにか次の季節まで生きようとする姿が、不思議な力となって僕らに伝わってくる。

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