まだ咲かない桜をおいて、DASH村では春がどんどん芽生えている。里山に入ると足元にも、頭上にも、枝という枝から小さな緑色を見ることが出来る。瑞々しく、弱々しくも見えるけれど、陽を透かせるその緑色は正に「新しい緑」で、枝が生きていること、木が生きていること、そして里山が生きていることを思わせる。生まれたてというのは、どこか不思議な力を持っているように思うほど、小さな新しい緑の存在感はこの村にとってとても大きいものとなっている。 |
そして、まだ昨年の切り株が並ぶ田んぼの端の苗床にも生まれたての、新しい緑がある。こっちもまだまだ頼りない格好ではあるけれど、生きる力が苗床の中いっぱいにみなぎっているのが分かる。 |
春は、みんなが生きようとする始まりの季節。いろんな場所に生まれたての不思議な力を感じることが出来る。この村には、人間のように泣いたりハイハイしたりするものはないけれど、色や形や匂いで、しっかり生きていることが分かる。そして、弱々しいからこそ、どうにか次の季節まで生きようとする姿が、不思議な力となって僕らに伝わってくる。 |