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畑の隅にある苗床からひとつ、またひとつと作物の苗たちが広い畑へと旅立つ。種類によって見分け方も様々あるけど、色や大きさや形がある程度にまでなればビニールの中を出て、大空の下へと出られる。同時にそれは、安定しているけれど限りある栄養を与えられた場所から、不安定で何が起こるか分からないけれど無限の栄養を与えられる場所へと行くことになる。 |
僕たちから見れば、畑はとても静かで落ち着きのある風景。けれど、作物たちにとっての畑は、戦場のような場所なのかもしれない。生きるために、闘わなくてはならない場所だ。今の村にあるまだまだ小さい畑の作物たちはそうやって生きて、緑を保ち、大きくなり、花を咲かせている。まるで、土から湧いて出たように当たり前にある畑の上の作物たちも、そこに立っていること自体闘いに勝ち続けているということ。 |
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畑にも、田んぼにも、おそらく村に生きるもの全部にも、それぞれの苗床があり、それぞれの戦場がある。みんな毎日が闘いだ。僕はそれを見守っているけれど、僕自身は今戦場にいるのだろうか?それとも苗床なのだろうか? |
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