強い日差しと強い雨に、DASH村の植物たちは勢い良く生長している。
  僕たちにも過ごしやすい季節があるように、ここに生きる植物たちにもそういった季節があるのかもしれない。多くの光と多くの水を与えられるこの季節は植物たちにとって過ごしやすく、最も健康的でいられる季節だと思う。


 雑草はとにかく元気で、与えられたもの全てを使って大きくなろうとしている。みんなで競い合っているかのように、出来るだけ上へ上へと目指して背丈ばかりが伸びる。畑や田んぼの緑と少し違うのは、そういった目指すものへの執着心があるようにみえるところ。人で例えると、家族を持たずにただただ自分の夢を追いかけているといった雰囲気を持っている。それに比べると、畑の緑はこの過ごしやすい季節で、出来た実を大きくすること、これからもっと実をつくるために自分自身も大きくなること、それらに力を注いでいるように見える。




 実際にこの時期は、雑草ほど背丈は伸びず、実や花や葉が力を分け合って良く生長している。僕たちが実ったものを口にして美味しいと思えるのは、こういった植物たちの実。田んぼの稲も果樹の木々も、この季節はそういった力の注ぎ方をしている。

 多くの恵みを得ることが出来るこの季節は、植物たちの力の注ぎ方が顕著に現れる。そしてその力の注ぎ方は、「生き方」そのもの。雑草のように生きるか、畑の作物のように生きるか。僕たちはこれらを見て学ぶことが出来る。植物から収穫できるものは、全てが食べられるものではなく、そんなことも収穫と言えると思う。

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