長雨の後には自然と快晴がやってくるもので、最近は「秋晴れ」という言葉にふさわしい天気が続いている。秋の心地よい風に誘われたのか、八木橋一家も田んぼの前に集合し久々の日光浴を楽しんでいる。そして、田んぼに飛び交うアキアカネも喜んでいるようにみえた。

 ハウス横の溜め池に行くと、池の水が太陽の光に反射しとても美しく輝いていた。周りの移植した木々は、大きく手を広げて光を浴びているようで、思わず私も同じように手を広げてみた。秋の少し冷たい風と太陽の包みこむような暖かさがなんとも言えない心地よさだった。
 そして、今年の夏の色々な虫との出会い、新しい命との遭遇など、とても貴重な体験ができた事をあらためて感じた。
  その中で私が一番感動したのは「キアゲハ」の誕生。キアゲハが幼虫からサナギになる瞬間、そしてサナギが蝶になる瞬間に遭遇することができ、新たな命の誕生を自分の目で見るというのはこんなにも感動するものなんだと実感した。




 縞模様の幼虫は、まず自分の口から糸を出しサナギになった時に自分が落ちないように糸を木に巻きつける。その巻きつけた中に自分で入っていき、少しずつ脱皮しサナギになる。誰の力もかりずにここまでするのだから本当にすごい。そう考えると人間は甘え過ぎだ・・・サナギになる場所もちゃんと考えている。風で吹き飛ばされないような場所の木や棒などに糸を巻きつける。本当にあっぱれ。サナギは2週間の時を経て成虫になるが、信じられないのは、あんな緑のサナギがなんで黒や黄色の綺麗な模様の蝶になるのかというところ。守山先生は「一度体の組織が溶けて作り変えられるから」と言うが、想像するだけでも怖い話。しかし、それで痛みを伴わず綺麗になれるのであれば私も一度溶かしてもらいたいくらい・・・

キアゲハは、大人になるにつれ確実に綺麗になっていくが、人間だと反対の方向に進む場合もある。むしろそっちの方が多いかもしれない。そう考えるとキアゲハは将来の美が保障されていて本当に羨ましい・・・私も生まれかわったらキアゲハになりたいな。

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