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里山は秋の顔から冬の顔となり、赤や黄色と鮮やかに輝いていた里山が懐かしく感じられる。そして、色味のない里山はなんだか寂しい。 そんな中、「寂しさ」を一気に「喜びと感動」に変えるものが私の目の中に入ってきた。それは、畑一面を白く染め、まるでどこでもドアを使って別世界に辿り着いたのではないかと疑うほどのものだった。 |
その白いものとは「霜」。それも「大霜」。キーンとした冷たい空気が、なんだか気持ちよかった。でも村の作物にとっては生命の危機。「秋の露」と「秋の霜」は大違い。霜にあたれば枯れてしまうものもある。そんな不安を抱えながら急いで畑方向に走っていくと、暖かいハウスの中で無事小さい実りをつけているブロッコリーがあった。今年は霜でやられないように早めにハウスを作っておいておいたのだ。良かった。本当に良かった。 |
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こんな美しいものが目の前にあるのに、全く気にしないやつが一人いた。 それは「北登」。本当は犬じゃなくて「北キツネ」かもと疑うぐらい、霜がたくさんついた枯れ草の上を楽しそうに走っていた。北登には霜の冷たさなど関係ないようだ。そして霜の輝く美しさも・・・・なんだか寂しい。 |
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