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手が凍るような寒い朝、太陽の下でひときわ輝くのは「霜柱」。 氷の柱は地面の土を跳ね除けるかのように堂々と立っている。 透明でキラキラと輝き、なんとも言えない美しさ。自分で作ろうと思ってもなかなかできないものだけあって、その珍しさに時間を忘れじっと見つめてしまった。それは北登も一緒だった。 |
そのうち北登が急に体を動かし始めた。何かと思い後ろを振り向いて見ると、白いゴマみたいなものが私の頬についた。それは、ほんのり冷たくて、手で触れると溶けてしまうような柔らかいもの。 その正体は「雪」。今年の「初雪」。今年は暖冬と言われていただけに雪が降るのはまだまだ先と思っていた。しかし、村に天気予報は通用しないのか、予想よりも早く雪が降り始めたのだ。 毎年同じ「雪」だけれど、なんだかすごく嬉しかった。大人になっても嬉しかった。 そして楽しい気分になった。冷たいけれどなんだか暖かく、白い雲の中にいる不思議な気分。 |
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そんなことを考えているうちに、再び太陽の日差しが雲の波から顔を出し始めた。 空から降ってくる雪は、太陽の日差しでキラキラと輝き、また格別な美しさだった。その横で北登はパクパクと雪を食べていた。北登にはおいしそうに見えたのだろう。 |
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初雪というだけにあっという間に終ってしまった。本当に神様というものは意地悪である。綺麗で美しいものはなかなか見せてくれない。 でも例年ことを考えれば、これからもっとうんざりするくらい雪が降る。 きっと神様は私に配慮してくれたのだろう・・・・ |
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