立春を向かえ、村は春の陽気。
1月中に凍った田んぼの氷もすっかり融け始め、楽しい田んぼスケート場もあっという間に閉店となった。

 白い氷は跡形もなく消え、今は穏やかな稲そよぐ海。また、時折吹く冷たい風が波を起こし、キラキラと流れるように輝く。本当に綺麗。春を通りこして、初夏に来てしまったみたい。1月の手を刺すような寒さは夢だったのだろうか・・・




 もともと旧暦だと春の始まりとなる「立春」。春の気配が現れてもいい時期だけれど、いつもの村なら春が来るどころか、冬は終わるのかと言いたくなるぐらい寒い。
 それが今年は池や水車の氷もすぐ融け、旧暦通りの天気となっている。今年は正真正銘の「暖冬」だ。と断言したくなる、それぐらい暖かい。
 氷が融けるだけでなく、春のシンボルである村の桜もつぼみが日増しに大きくなり、冬桜の勢い。秋に撒いた小麦もどんどん生長し、北登はいち早く『麦踏』をしてる。そして、目をつぶっていても感じるのは春の光。縁側で昼寝がしたくなるような心地よい光。このまま空へと吸い込まれそう。

 こんな春の陽気でさっそく昼寝をしているやつがいた。それは「八木橋」。こいつは冬も春も関係なく昼寝が好きみたい。気楽で羨ましい・・・私も一日中寝ていたい。

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