冷たい風の隙間から聞こえる声。
それは春を告げる鳥のさえずり。
今年は暖冬のせいかいつもより早い気がする。
「キーキー」「チキチキ」と、かわいらしい鳴き声が村中に響きわたる。

その一方で、里山の沢からは「サラサラ」「ザーザー」という小川の音が聞こえる。
本当に春間近の村は毎日が音楽祭。その音は心地よく柔らかい音で私を楽しい気分にさせてくれる。ずっとこの音が続けば毎日が楽しいだろうな。




そして、音楽祭を盛り上げるのは、冬色の青い空。
空に向かって深呼吸すると、すがすがしくとても気持ちがいい。何回も深呼吸したくなる。
私の口に吸い込まれる空気はほんのり冷たくて格別な味。そんな冷たい空気の中、春間近の暖かい陽光が村の木々や花を照らす。
桃の節句の「桃のつぼみ」は冬芽が膨らみ始め、例年4月に咲くはずが3月に咲いてしまうかの勢い。

 たんぽぽも早々と綿毛になっているものもある。
そんな中、暖冬を一番喜んでいるやつがいた。それは「北登」。
暖かい光りのもと毎日気持ちよさそうに昼寝をしている。本当に気持ちよさそう。
私も一日中寝ていたい。

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