北登が向かった先は役場前。
何やら気になるものでもあったのだろうか。そっと近づいてみると、今にも「水仙」が花開こうとしていた。きっと鼻が良い北登には水仙の甘い香りが分かったのだろう。春には村中、華やかで甘い香りが広がるんだろうな・・・・今から楽しみ。

 毎年あたりまえのように冬のあとに春はやってくるけれど、それは毎年違った春。
私にとって今年は初めての村の春。今からドキドキする。どんな桜が咲いて、どんな鳥が来て、どんな香りがして・・気になることばかり。
 でも忘れてはならないことが1つある。




それは、あたりまえのように来る春は決して「あたりまえではない」ということ。梅が花を咲かせ、桜が花を咲かせ、春になれば必ず花が咲くけれど、それは自然の営みがあってこそで、少しでもそれが欠けてしまったら梅も桜も水仙も咲かない。そういうことを最近私は忘れてた気がする。もっと花が咲いてくれることに感謝し、これからも人と自然が共生できるように、皆で楽しい春を迎えられるように、私達が努力していかなければならない。

 それは人間でも言えること。私が北登の散歩ができるのも、村の野菜をおいしく食べれるのもすべては「健康」だから。あたりまえのことだけれど、これもあたりまえではないと思う。健康でいられることにもっと感謝しなければと思った。健康ありがとう。
 そんなことを考えているのは私だけだろうか、八木橋一家は無心で草を食べていた。

前の週 次の週