里山の紅葉も気の早いものは赤色から褐色が増えはじめ、すっかり秋も見ごろの風情。 つい最近まで鮮やかな赤色や黄色だと思っていたのに、茶色がかってきた。

なんだか寂しい気もするけれど、茶色がかった里山もまた風情がある。これも秋ならではの色で秋ならではの美しさ。茶色といっても一枚一枚違う茶色。赤茶色もあれば、黄色が入った茶色もある。本当に秋の色は深い。




 そんな褐色一歩手前の枯れ葉が、晩秋の風に吹かれ空を舞い散りはじめる。 青空の色と枯れ葉の色というのは、なんでこんなにも合うのだろうというぐらい綺麗だった。
思わず、そのまま見とれてしまった。空からいっぱいの枯れ葉が降ってきて、なんだか祝いされている気分だった。結婚式でもないし、誕生日もまだだし、何もお祝いされることはないのだけれど、お祝いされている気分になった。予想外のお祝いはなんだか嬉しいもの。

 そんな踊る枯れ葉の中を楽しそうに走るのは北登。そんな北登に引っ張られ走る私。 なんだか画になる光景な気がする。枯れ葉の間を縫って走る快感はなんとも言えなかった。頬にあたる晩秋の風がなんだか気持ちよいし。
 もうすぐこの風が頬を凍らす冷たい風に変わるかと思うと、今から心配。今年の冬は寒くなるのかな。

前の週 次の週