星空輝く夜、八木橋は天国へと帰っていった。 その夜は今までにないくらい綺麗な星空だった。それは、八木橋が私達にくれた最後のプレゼントだったかもしれない。 でも、そんなプレゼントよりも、私は八木橋にもっと生きててほしかった。せめて私が一人前の村人になるまで。 |
秋も終わりに近づき、冷え込みが厳しくなってきた頃、八木橋の様子がおかしいのに気付いた。いつもなら、私が近づくと突進するかのように近づいてくる八木橋が、横たわって全く動かない状態。そんな八木橋の姿を見て、はじめは信じられなかった。私は夢を見ているのだろう。そう思いたかった。でも次の日になっても八木橋は横たわったまま。 毎日看病をし、少しでも草を食べてくれたり、水を飲んでくれたりするだけで、すごく嬉しかった。きっと元気になってくれるはず、大丈夫だと自分に言い聞かせていた。 |
そんな八木橋がもう目の前にはいないと思うと、悲しくて悲しくて・・・何回言っても足りない。でも泣いてばかりでは前には進まない。そして、八木橋もそれは望んでいないと思う。 そんな八木橋に私が今できることは、八木橋の分まで頑張ること。 八木橋、8年間村を守ってくれてありがとう。そしてごくろうさま。これからは八木橋の分まで私が頑張ります。 |