空は冬らしい灰色の雲が広がり、−2℃と吐く息も凍るかという寒さ。
そんな寒さが今年も村に綺麗な贈り物をくれた。
 それは、光輝く氷の結晶。母屋の「つらら」、茶色の地面に光る「霜柱」、ブルーに輝く「水車の氷」。毎年恒例だけれど、毎年違う形と輝き。これも自然でしか出せない「美」。そして冬ならではの「美」。

 水車の氷は、溶けずに範囲を広げ、外輪をも包み込むかの勢い。
回っている水車もよいが、冬の凍っている水車もまた趣深いものがある。
 そんな水車に「精出せば凍る間もなし水車(みずぐるま)」という句がある。「冬の厳しい寒さの中でも一生懸命回っている水車が凍りつかないように、私達も一生懸命努力していれば、大丈夫」という意味ではあるが、どうやら村の水車は冬休みをしているようだ。




 寒さに負けず回る水車のほうが偉いのかもしれないけれど、冬になると凍って休みに入る水車のほうが私は好きかも。なんだか自然の流れを感じる。
 春、夏、秋と休まず働いているのだから、冬ぐらいは休んでもいいと思う。

たぶん人も同じではなだろうか。一生懸命働き続けることも大切だけれど、休むことが一生懸命につながることだってあると思う。
 私も水車を見習って、ちゃんと休みがとれるよう一生懸命働頑張ろう。

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