今年も無事満開を迎えた桜。
でも今年の桜はピンクというより、白に近い。
 樹木医の鈴木先生に聞くと、桜は年をとるごとに、白くなるらしい。そう思うと村の里桜もかなりの老木。

 今年、そんな桜はボタンのような綺麗な花を咲かせてくれた。青空の下で、ふんわりと咲く白い桜は、格別な美しさだった。
 咲くときはパッと咲き、満開になったと思ったら、その盛りの時期も短く、あっという間に散ってしまう。そこがやや残念だが・・・




 そう思いつつ春風に誘われどんどん散っていく桜の花を見ていると、時折寂しい気持ちになるけれど、何の未練も残さず、一点の迷いも無く散る桜を見て、なんだか「男気」を感じた。美しいだけでなく、強さもある桜、やはり魅力的な花。
 桜は満開が一番美しいと思っていたけれど、花びらが舞い散る姿を見ると、桜は散る時も美しいものだなと思った。散る桜には、散る桜だけが持っている美しさがあり、それも限定もの。強い風に吹かれ一面の花吹雪になる姿、地面が淡いピンク色に染まる姿。どれも散る桜でしか味わえない姿。そんな姿をじっと見ていたいと思った。

 桜は散りはじめたけれど、村の春はまだまだ盛り。ため池ではハヤの稚魚が元気よく泳ぎ、合鴨達は、卵を温めている。今年はどんなヒナが産まれてくるのだろう。今から楽しみ。

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