最近は、栗拾いが毎日の日課となっている。
栗好きの私からすると、拾っても拾っても落ちてくる栗のいがを見るだけで嬉しくて幸せな気持ちになる。
刺さったときの痛みを差し引いても、幸せの方が大きい。
そしてそんないがの隙間から見える栗の艶やかな赤みを帯びた茶色が、秋を感じさせる。

 そんな中、栗に負けないくらい艶やかな色の調味料がこの秋完成した。
それは、日本独特の調味料「醤油」。日本人にはもっとも親しみのある調味料で、私自身も1番使っていると言ってもいいほど。しかし、そんな醤油の作り方をほとんど知らなかった。




 そこで醤油づくりを始める前にまず醤油の蔵元を訪れて学んだ。
大きな樽がいっぱい並んでいて、とてもいい香りが漂っていた。醤油には欠かせない種麹を分けてもらい、さっそく村で醤油づくりに挑戦した。
  醤油づくりはただ混ぜればいいと簡単に考えていたけれど、とても大変な作業だった。
  醤油の大元となるしょうゆ麹を作るにしても温度・湿度調節が難しく、夜通し囲炉裏で火を焚き続けることもあった。やっとのことでしょうゆ麹が出来て発酵してきたと思っても、白カビが発生したり醤油の水分がなくなったり、本当に醤油ができるまでの1年は長いようで、あっという間だった気もする。

 そんな長期に渡り作り上げた村の醤油の味は、とてもいい香りがした。  
手作りの醤油は、塩辛くなくとても優しい味で、食べ物にかけなくてもそのままでも味わえるのに驚いた。そして、大豆という食材の魅力を改めて感じられた気がした。
大豆と小麦と菌という自然の力で作られた醤油。
作って味わって改めて思ったこと、それは醤油が世界に誇れる最高の調味料だということ。

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