一般的にはおよそ200個できるというパッションフルーツづくり。手探り状態のそれは「そんなにとれても食べきれない」などという心配よりも深刻な心配事が栽培当初から続いた。夏になっても実のもととなる花芽がつかない状態。何とか花芽をつけてくれるように、栄養の供給源の葉を切り落としたりするなど、植物にとって危険な作業もやってきた。 一般的な栽培に比べ予定が大幅に遅れた影響か、葉もいつしか弱っていき、不安を覚えた。 冬は、ようやく生った実をこれ以上落とすわけにはいかないと、深夜も休まず床暖房を炊き続けた。 |
そして、気づけばいつしか春。予定より半年近く遅れてようやく手にしたパッションフルーツの実は1個だった。 たったの1個かと思うかもしれないけれど、私にとっては1個でも収穫でき たんだという喜びでいっぱいだった。 |
さらに収穫したパッションフルーツを口にした瞬間、村の果物にはなかった南国の甘みと酸味を感じた。挑戦から始まった南国作物づくりが、今やっと現実となったのだと改めて実感し、1年間の色々な思いが込み上げてきた。 でも、南国作物はパッションフルーツだけではない。全部の作物の実が収穫できるよう今年も頑張るぞ。 |